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    ホーム > 大学紹介 > 「学び」の楽しさを見つける 「Academi-Q [アカデミック]」

    「学び」の楽しさを見つける 「Academi-Q [アカデミック]」

     山口大学情報誌「Academi-Q」は、平成30年4月より、山口県内の児童・生徒・その家庭・先生方に配布しています。

     本誌は生徒の皆さんに学問のおもしろさを知ってもらうために創刊しました。おもしろい研究をしている方を取材し、それを読者の立場からわかりやすく解説します。

     世の中には、わからない事がたくさんあります。本誌のタイトル「Academi-Q」は学術(Academic)の不思議(Question)が、高品質(Quality)で、すぐに(Quick)わかることを目指して付けました。 

     

    ご意見・ご感想はこちらの アンケートフォーム 宛にお寄せください。

    皆さまからお寄せいただいたご意見等は、誌面で紹介させていただく場合があります。 あらかじめご了承ください。

    バックナンバーはこちら 

     

    【受験生応援サイト】から動画等を配信中!

    【受験生応援サイト】はこちらから

    http://www.yamaguchi-u.ac.jp/prospective/ouen2021.html

     

     

     


     

     

    最新号

     

     

    「Academi-Q」タブロイド版は、山口大学総合図書館(吉田キャンパス)、医学部図書館(小串キャンパス)、工学部図書館(常盤キャンパス)、医学部附属病院外来診療棟入口(小串キャンパス)で入手いただけます。

     


     

     

    ハッピーホースライフ! 馬に癒され 馬に学ぶ 豊かな生活

    馬が活躍するのは競馬くらい? いえいえ。
    癒しの効果もあるのです。ヒヒーン。

    YU-PRSS 山口大学広報学生スタッフ 小原 彩乃

     

    ◆なんて素敵な生き物なのでしょう

     人と馬が豊かな生活をおくることを目的として、馬にエサをあげたり、馬をなでたり、馬のお世話やふれあいを通じて心と体の両方を癒される。それが学生たちのつくったプログラム「みんなでハッピーホースライフ!」です。
     「一頭一頭違う性格。すらっと伸びた美しい脚。ごはんを前にするとキラキラと輝く瞳。親しい人の足音を聞いただけで溢れ出してしまう鳴き声。賢く、優しく、力強くも美しい。馬、馬、馬。なんて素敵な生き物なのでしょう。その全てが我々を癒してくれる。馬は魅力的なのです」
     このプログラムを企画した学生サークル「ホースヒーリングサークル」のみなさんは、こう語ります。みんなに馬の魅力を伝えたい、そして癒されてほしい。そういった熱い思いから、この企画は発案されたのです。

     

    ◆山大おもしろプロジェクト

     山口大学には「おもしろプロジェクト」という企画があります。学生が、あれがやりたい、これがやりたい、といろいろな夢をカタチにするために企画を競い合います。そのなかでも特におもしろいプロジェクトに対して、大学が最大50万円の資金をサポートしてくれる制度です。多くの学生にとって、50万円は、見たこともない大金です。そんなお金をもらって、もしも失敗したらどうしようと、不安に思うかもしれません。でも、心配は無用です。失敗しても良い。挑戦することが大事だ!そういうプロジェクトなのです。それがおもしろいのです。
     この「みんなでハッピーホースライフ!」も、おもしろプロジェクトに選ばれました。この企画は、馬のお世話をするだけではありません。馬糞から作った堆肥を使って農業も楽しみます。畑では、馬のごはんになるニンジンを育てており、馬から得た恵を馬のごはんにして還すという、馬による循環型農業を実現しています。
     「今のところは、馬用の野菜がメインですが、ゆくゆくは人間用の野菜も一緒に収穫できるようにするのが目標」とサークルメンバーは語ります。
     そして、山口大学教育学部附属特別支援学校の生徒さんや学童保育の子どもたちにも参加してもらい、馬のお世話を一緒に行います。最初はみんな馬の大きさにびっくりしますが、やがて馬の優しさにほだされていくのです。

     

     

    ◆馬はどこから

     この企画の馬たちは、最初から動物セラピーで活躍していたわけではありません。もともとは別のことをしていた馬たちでした。なかには競馬を退いた競走馬もいます。
     日本では一年に数千頭の競走馬が年齢や病気などを理由に引退していきます。馬は、25年から30年生きるといわれていますが、まだ若い3歳や4歳で引退になる馬もいます。そんな引退馬たちは、乗馬クラブや学校の馬術部などに引き取られ、第2の人生(いや馬生)を歩んでいくことになります。そうした乗馬クラブは、引退馬に比べて圧倒的に不足しているのが現状です。

     

     

    ◆新たな活躍の場として

     「引き取り手のない馬たちの再就職先の一つとして、“ホースセラピー”という新しい選択肢をつくりたい」とホースヒーリングサークル設立者の藤原優美さんは語ります。
     ホースヒーリングサークルの活動は、現在山口大学内で行われていますが、これから大学の外にもどんどん広まっていき、人と馬の両方が豊かな生活を送ることができるようになると良いですね。

     

     

    ◆癒し効果! 

     馬が草を食む音を山口大学公式YouTubeからお楽しみください。

     https://www.youtube.com/watch?v=UtYAefN3kpU 

     


    取材協力:山口大学ホースヒーリングサークル 藤原 優美さん、大前 愛さん、斯波 はるかさん、顧問 共同獣医学部 佐々木 直樹 教授

     

     

    その行動には理由があります。なぜ勉強よりゲームをしてしまうの?

    勉強しないといけないのに、ついゲームをしてしまう。おもちゃで遊んだ後、片付けられない…。
    思ったように行動できないと、「なんて自分は意志が弱いのだろう、やる気がないのだろう」と落ち込むことはありませんか? いえいえ、それはあなたの心や性格が原因ではありません。
    そんなとき、行動分析学を活用すると、うまくいくかもしれません。

     

    YU-PRSS 山口大学広報学生スタッフ 岩見 丞

     

     

    ◆行動分析学ってなんだろう?

     あなたは今、このAcademi-Qを読むという行動をしていますよね。
     このように私たちは日々の生活の中で、本を読む、食事をする、歯磨きをする、歩くなど、さまざまな「行動」をしています。人間や動物がなぜその行動を行うのか、原因を明らかにすることを目的としているのが行動分析学です。
     行動分析学を専門とする山口大学教育学部講師の宮木秀雄さんは、「行動分析学は、行動の原因を個人のせいにしないという特徴がある」と語ります。ダイエットを例にあげてみましょう。ダイエット中についついお菓子を食べるという行動の原因を個人の内面に求めると、「意志が弱いから」ということになります。しかし、この考え方では、図1のように行動と原因が循環しており、「なぜお菓子を食べるのですか?」→「意志が弱いから」、「なぜ意志が弱いのですか?」→「お菓子を食べてしまうから」と、ただ原因と行動を言い換えただけに過ぎません。つまり、その人の内面を指摘したところで、しょうがないことがわかります。
     では、行動分析学から見た、行動の原因とは何でしょうか。手軽に食べられるお菓子が近くにある環境が問題なのかもしれません。宮木さんは行動の原因を個人のせいではなく、環境によるものであると考え、様々な研究を行っています。

     

     

    ◆なぜ、あんな行動をしてしまった?

     行動分析学では実験から、人間や動物が行動をするときの法則(決まり)を見出しています。その一つとして、行動によって得られるメリットが「より早く・楽に・大きなもの」で、さらに「確実性が高い」行動を優先するという法則があります。
     「勉強よりもゲームをしてしまう」という例で考えてみましょう。勉強のメリットの一つに、「テストで良い点数が取れる」というものがあります。このメリットを先ほどの法則から考えるとどうでしょうか?勉強はとても大変で、すぐに結果は得られません。さらに、勉強を頑張ったからといって、確実にテストで良い点を取れるとはいえませんよね。対して「ゲームをする」という行動は簡単にできて、すぐに結果が出て、確実に楽しいというメリットがすぐに得られます。
     このように、勉強よりもゲームを優先することは、行動分析学からすると当然のことなのです。つまり、勉強しないのは、「あなたの意志が弱いから」なんて指摘は行動分析学では的外れといえるでしょう。

      

     

    ◆行動をコントロールしてみよう

     「行動分析学的には当然だ」なんていわれても、きちんと勉強をしなければなりません。行動分析学を応用すると、行動をコントロールすることができます。その一つに、ルールを決めて行動を支配するという方法があります。例えば、「1時間勉強をすると、1時間ゲームをしても良い」というルールです。これは勉強をするという行動をすれば「ゲームができる」という、早くて、確実なメリットが追加できます。このルールを利用すると、難しい行動もコントロールできるかもしれません。他にも、ゲームを手の届かないところに遠ざけるといった環境を変えることで、「楽さ」のメリットをなくす方法も有効になるそうです。

      

     

    ◆日常のあの行動も行動分析学の原理が!!

     みなさんはこのような経験がありませんか?自動販売機にお金を入れて、ボタンを押したのにジュースが出てこないという場面で、思わずボタンを連打してしまった。この行動は、行動分析学では「消去バースト」という概念に当てはまります。これは行動によって得られるメリットが消えてしまうと、一時的に行動がエスカレートするといったものです。今まではボタンを押すと得られたメリットが突如消えてしまうと、ボタンを押すという行動がまさに爆発的に増加してしまうのです。
     消去バーストを知っていると日常生活にも役立ちます。例えば、犬とボール遊びをする際、吠えたらボールを与えないようにします。このとき、一時的に吠えることが増えても、ボールを与えない、何もしないことが大切です。そして、吠えるのをやめたらボールを与える。吠えている途中でボールを与えてしまうと、吠えればメリットがあると勘違いしてしまい、余計に吠えるようになってしまうので注意が必要です。
     このように、行動分析学で見出された法則や概念はとても身近です。あなたのしているその行動、あるいはすべき行動は、行動分析学を使って冷静に考えてみるとコントロールできるかもしれませんよ。みなさんも日常生活や目標の達成に利用してみてはいかがでしょうか?

      


    取材協力:山口大学教育学部 宮木 秀雄 講師

    イラスト:YU-PRSS 山口大学広報学生スタッフ 左海 莉子

     

     

    発見は偶然に 失敗作からヒット誕生

    有毒な塩素ガスなしに、海水から水素を得られる新技術

     

     

     地球温暖化問題は、石油や石炭を燃やすときの炭酸ガスが原因と考えられています。そのため炭酸ガスを出さない新しいエネルギー源が求められています。そのひとつとして、水素があります。水素は燃える際に炭酸ガスを出しません。
     この水素を得る方法として、水を分解する方法があります。地球上で最も豊富な水は海水です。しかし海水を分解すると、水素と一緒に有毒な塩素ガスが発生することが問題となっていました。
     山口大学工学部教授の中山雅晴さんは、二酸化マンガンをミルフィーユのパイ生地のように重ねて金属イオンの回収などに利用する「積層二酸化マンガン薄膜」の発明者です。通常は常温で製造する積層二酸化マンガン薄膜を300度で熱したところ、一部の酸素が欠損し、乱層状態になってしまいました。失敗作かと思われた乱層二酸化マンガンですが、これを使って海水の電気分解をしたところ、塩素ガスがほとんど発生することなく水素を取り出せることがわかりました。
     「乱層二酸化マンガンは本来の積層二酸化マンガンから酸素が欠けた、いわば“不完全”な状態です。不完全が、今回、良い仕事をしました」と中山さんは語ります。
     欠点だと思えることも裏側から見ると、良い点も見えてくるということなのでしょう。

     


    取材協力:山口大学工学部 中山 雅晴 教授

     

    船上のメリークリスマス

    巨大な国際科学プロジェクトには世界中の研究者が集まります。
    さて、研究者たちは何を食べているのでしょう?

     

     

    ◆腹が減っては研究もできぬ

     宇宙ステーション、巨大実験設備、そして南極観測など、世界には様々な科学プロジェクトがあります。そこには世界中から研究者が集まって、熱い議論を繰り広げています。そしておなかも空くでしょう。
     「つづきは食べてからにしよう」

     

     世界最大の海洋調査船:ちきゅう

     

    ◆船のごはん

     地球深部探査船「ちきゅう」は世界最大の海洋調査船です。出港すれば何ヶ月も陸には戻りません。寝て、起きて、研究して、食べて、議論して。ずーっと船の中です。船の生活において食事は大事な楽しみであり、そのため船のメニューは一般に豪華です。
     特にクリスマスやお正月には、普段よりも一段と良いメニューが出てきます。
     「うわあ、正月に乗船してて良かった!」
     これならホームシックになりません。研究に専念できますね。

     

     

     


    取材協力:山口大学理学部 坂口 有人 教授

     

     

    チキンチキンごぼうとギリシャの風神

    山口県で人気の給食メニュー「チキンチキンごぼう」。
    山口の特産品「美東ごぼう」は、秋吉台のカルスト台地で栽培されています。

     

    YU-PRSS 山口大学広報学生スタッフ 堀井 皇誠

     

     

     カルスト台地を成す石灰岩は水に溶けやすく、所々にドリーネと呼ばれるくぼみができます。このくぼみの中で美東ごぼうは育ちます。
     一般に山の土は岩盤の岩石がボロボロになって作られます。石灰岩は、水に溶けてしまうので土になりません。その代わりに、ドリーネの底には風によって運ばれてきた塵だけが厚くたまっています。風で運ばれる塵のことを地球科学では、ギリシャの風の神にちなんで「エオリアンダスト」と呼ばれます。
     エオリアンダストは粘り気が強く、ゴボウの成長を邪魔します。ゴボウはこの環境に耐えようと栄養をためこむために、太くておいしいゴボウになります。
     みなさんの大好きなチキンチキンごぼうは、こうした珍しい条件が重なった地で作られているのです。しっかり味を噛みしめていただききたいものですね。

     

    写真提供:荒木 陽子 

    「畠」の文字の箇所がドリーネ耕作地。        

    (山口県文書館蔵)

     


    取材協力:山口大学理学部 坂口 有人 教授

     

     

    Academi-Q 9号で募集した「春」をテーマとした「連歌」の応募作品を紹介!

    【発句】会えぬ日を重ねてめぐる年の春(五七五)、
    【脇句】君想いつつ一人見る花(七七)
    につながる「五七五」の句を募集しました。たくさんの応募ありがとうございました。 次の春はコロナが収束しているとよいですね。 

    ※Academi-Q 9号はこちらから。 

     

     人文学部 尾崎 千佳先生からのコメントを紹介します。
     初めてとは思えない佳句ばかりでした。
     

     1・2は、前句の「花」、前の前の句の「めぐる年」をふまえて、コロナ前の平穏な日常を思い出しているようです。

     3の「幻影」の正体はわかりませんが、平時の花見の景色が幻視されたのではないでしょうか。

     4・5・6は、前句の「一人見る」に特に焦点をあてて、孤独の寂しさやつらさをうたいます。

     7・8は、前の前の句の「会えぬ日を重ね」「めぐる年」を受けて、去年と今年にかけてわたしたちが味わっている時が止まったような感覚を詠んでいます。

     9・10は、将来に日常回復への希望を託し、祈りをこめています。
     コロナ禍を詠んだ応募句のなかにあって、11だけが花粉症を詠み、しかも「加トちゃん張りのクシャミ」という思い切った表現を用いて、強烈な異彩を放っていました。会えない人を思っていても、コロナ禍でも、人間、クシャミは出るもの。「加トちゃん張り」に「ひっきし!」とやって、孤独の感傷を吹き飛ばしているようです。 

     

    ヤマミィ4コマ『必需品』

    企画:YU-PRSS 山口大学広報学生スタッフ

    左海 莉子、藤井 志保、松本 菜那 

     

    あなたのご意見・ご感想

    Academi-Q のwebページにご意見ご感想等をお寄せください。

    http://www.yamaguchi-u.ac.jp/info/academiq.html

    ※皆さまからお寄せいただいたご意見等は、誌面で紹介させていただく場合があります。 あらかじめご了承ください。

     

    YU-PRSS 広報学生スタッフ紹介

     

     

    編集後記

     冬は星がきれいですね。数多の星ひとつひとつに名前をつけていくときりがありません。特に明るい星にだけ固有名があります。例えば冬の大三角形のシリウスやベテルギウスです。それ以外の明るめの星には、それぞれの星座の中で明るい順番に、アルファ星、ベータ星、ガンマ星とギリシア文字で呼んでいきます。シリウスはおおいぬ座のアルファ星ですし、ベテルギウスはオリオン座のアルファ星です。
     新型コロナウイルスの変異株も出現順にギリシア文字で呼んでいます。デルタが4番目でオミクロンが15番目です。この変異株問題がどこまで続くかわかりませんが、星の数ほどは続かないだろうと願うばかりです。

     


    発行人 山口大学長 岡 正朗 / 編集長 山口大学教授 坂口 有人
    デザイン・企画 株式会社無限 / 発行 山口大学総務企画部総務課広報室
    〒753-8511 山口市吉田1677-1

    TEL 083-933-5007 FAX 083-933-5013
    E-MAIL yu-info@(アドレス@以下→yamaguchi-u.ac.jp)

    山口大学webサイト http://www.yamaguchi-u.ac.jp/

     

    総発行部数160,000部 / 山口県内の教育委員会・学校等を通じて、児童、生徒、保護者、先生方に配布します。次回2022年4月発行予定。

     

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