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    ホーム > 新着ニュース > 2020年 > 光による気孔開口制御の仕組みを解明 ~高い光合成能力とストレス耐性能力を併せ持つ植物の開発に期待~

    光による気孔開口制御の仕組みを解明 ~高い光合成能力とストレス耐性能力を併せ持つ植物の開発に期待~

     大学院創成科学研究科の武宮淳史准教授、細谷桜子大学院生(研究当時)らの研究グループは、植物の気孔開度が青色光と赤色光により厳密に制御される仕組みを明らかにしました。

     植物の表皮に存在する気孔は、太陽光に応答して開口し、光合成に必要な二酸化炭素(CO2)の取り込みを促進します。光による気孔開口には、青色光特異的なメカニズムと光合成に依存したメカニズムの2つが存在します。気孔は青色光と光合成を引き起こす強い赤色光を同時に照射することで大きく開口することが知られていますが、その仕組みは解明されていませんでした。

     今回、研究チームは遺伝子操作により、青色光により活性化されるタンパク質リン酸化酵素BLUS1(BLUE LIGHT SIGNALING 1)を常に活性化させた形質転換植物を作製することに成功しました。この植物を用いた詳細な解析から、気孔が開口するには青色光によるBLUS1の活性化に加え、赤色光による光合成を介した葉内のCO2濃度の低下が同時に起こることが重要であることを発見しました(図1)。さらに青色光には気孔を開かせる作用に加え、気孔が開き過ぎないように開口を抑制する作用があることを初めて示しました。

     本研究によって、植物が青色光と光合成の情報を用いて気孔開度を厳密に制御する分子メカニズムが明らかになりました。この研究成果は、植物の環境応答・情報統御メカニズム研究の新たな展開を切り拓くとともに、これらのメカニズムを人為的に制御し気孔開度を操作することで、高い光合成能力とストレス耐性能力を併せ持つ実用植物の開発に貢献することが期待されます。

     本研究成果は、2021年3月1日に米国科学雑誌「The Plant Cell」の電子版に掲載されました。 

     

     

    発表のポイント 

    気孔開口には青色光によるBLUS1の活性化と赤色光による光合成を介した葉内CO2濃度の低下が同時に起こることが重要であることを発見
    青色光には気孔開口の誘導に加え、気孔開口を抑制する作用があることを発見
    気孔開口の人為的制御により、高い光合成能力・ストレス耐性能力を併せ持つ植物の開発に期待

     

     研究の詳細はこちら

     

     

    図1. 今回発見した青色光と赤色光による気孔開口制御の概念図

     

    発表論文の情報

    論文名

    A BLUS1 kinase signal and a decrease in intercellular CO2 concentration are necessary for stomatal opening in response to blue light

    (BLUS1キナーゼを介したシグナルと細胞間隙CO2濃度の低下は青色光に応答した気孔開口に必要である)

    著 者

    Sakurako Hosotani, Shota Yamauchi, Haruki Kobayashi, Saashia Fuji, Shigekazu Koya,

    Ken-ichiro Shimazaki, Atsushi Takemiya

    (細谷桜子、山内翔太、小林遥貴、冨士彩紗、古屋繁一、島崎研一郎、武宮淳史)

    掲載誌

    The Plant Cell(2021年)

    D O I

    10.1093/plcell/koab067

    掲載日 2021年3月1日

     

    研究費

     本研究は、科学研究費助成事業(18H02468, 26711019, 15K14552, 20H05420)、日本応用酵素協会などの支援を受けて行われました。


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