「シンポジウム2021 -維新の地から挑む革新的医療技術の創出-」を開催しました
山口大学は、文部科学省 平成29年度「地域イノベーション・エコシステム形成プログラム」に山口県と共同申請し、「革新的コア医療技術に基づく潜在的アンメット・メディカル・ニーズ市場の開拓および創造」が採択されました。今年度は本事業の最終年度に当たり、これまでの取組みを総括し、今後のさらなる発展につなげることを目的として、7月16日(金)に主会場+Webのハイブリッド形式にてシンポジウムを開催しました。
開催に先立ち、岡正朗学長から「山口大学は山口県の課題を解決する鍵となり地域の未来を共に創っていくパートナーとして、山口県に貢献する」との挨拶があり、また、本事業について「既存医薬品では満たされていないがニーズが高い医療技術・医療機器の開発に向けて、本学が有する独自の技術を基に、山口地域に集積する医療関連の企業群と連携し、事業化を目指す取組に挑んできた」ことの意義について説明がありました。
その後、第1部は、難治性固形がんに奏効を示す次世代CAR-T細胞療法の研究者である大学院医学系研究科免疫学講座の玉田耕治教授を座長として、研究開発の上で縁の深い東京大学医科学研究所の真下知士教授と理化学研究所生命医科学研究センターの石川文彦チームリーダーから学術講演があり、第2部は、骨髄由来の間葉系幹細胞を用いた肝硬変再生療法の研究者である大学院医学系研究科消化器内科学講座の高見太郎教授を座長として広島大学大学院医系科学研究科の弓削類教授と鳥取大学の押村光雄名誉教授から学術講演が行われました。
第3部は、第1部、第2部の座長と演者に加え、縄田浩之山口県商工労働部新産業振興課長、篠﨑圭二宇部市長をパネリストに迎え、山口地域におけるライフサイエンス研究開発の将来的な発展と波及効果について、国内の課題と対応策や産官学連携、イノベーション創出の仕組などの観点から議論がありました。
現在はすでに複数のパイプラインにおいて臨床試験が開始しており、今後一層山口地域が革新的なライフサイエンス分野の研究開発を世界に先駆けてリードしていくことが期待されます。
【プログラム】
開会挨拶 岡 正朗 山口大学 学長
来賓挨拶 井上 睦子 文部科学省科学技術・学術政策局 産業連携・地域支援課 課長
概要説明 片岡 良友 地域イノベーション・エコシステム形成プログラム 事業プロデューサー
第1部 講演
座長 玉田 耕治 山口大学大学院医学系研究科免疫学講座 教授
真下 知士 東京大学医科学研究所附属実験動物研究施設
先進動物ゲノム研究分野 教授
『 新規ゲノム編集技術CRISPR-Cas3の開発と応用 』
石川 文彦 理化学研究所生命医科学研究センター
ヒト疾患モデル研究チーム チームリーダー
『 白血病の多様性の理解と克服に向けて 』
第2部 講演
座長 高見 太郎 山口大学大学院医学系研究科消化器内科学講座 教授
弓削 類 広島大学大学院医系科学研究科 教授
宇宙再生医療センター センター長
『 神経再生医療とロボットリハビリテーションの融合 』
押村 光雄 鳥取大学 名誉教授
株式会社 Trans Chromosomics 代表取締役
『 とっとりバイオフロンティアの取り組み
-ヒト人工染色体と遺伝子/再生医療の融合 』
第3部 パネルディスカッション
『 維新の地から再生・細胞療法の研究開発を加速させる方策について 』
モデレーター:
花村 遼 アーサー・ディ・リトル・ジャパン株式会社 パートナー
パネリスト :
座長、講演者、山口県商工労働部新産業振興課長、宇部市長
総評 那須 保友 岡山大学 理事・副学長
閉会挨拶 上西 研 山口大学 理事・副学長