2019年採択プロジェクト紹介(1)

プロジェクト名:山口・食の温故知新 ~長州食材・料理を復活し新たな価値を見出す~
 研究代表者:五島 淑子 教授(教育学部)

 

 

  

概要を教えてください。

 本プロジェクトは、山口の隠れた魅力を「食」を通じて再発見し、得られた学術的結果や成果を幅広く発信することを目指しています。
 本プロジェクトでは『江戸時代後期の史料を基にして、現代科学による実験、データサイエンスやDNA分析技術を活用すること、復元させた「幻の長州食材」の栄養的価値の検討、長州食材を起点とした過去の食文化を現代に甦らせ、生理機能の評価を行います。現存する郷土食材も含めた長州食材についても、過去の調理法や歴史的なイベントで用いられた料理を再現する』ことを計画しています。 これにより、科学的な価値以外に文化的価値や歴史的価値を与え、「山口・食」のローカルバリューを高めて地域貢献を行いたいと考えています。
 メンバーは、真野 純一先生(大学研究推進機構総合科学実験センター・教授(生化学))、教育学部の柴田 勝先生(教育学部・准教授(植物学))、森永 八江先生(教育学部・准教授(栄養学))、セネック・アンドリュー先生(教育学部・助教 (国際理解))と私(食物学)の計5名です。
 特色は、文系・理系の分野を融合した学際研究を行うことです。このため、様々な分野を横断する学際研究に最適な課題として、すそ野が広く身近である「食」を題材として取り扱います。また、山口県の強みである「貴重な文献史料、幕末維新の震源地、欧米文化を取り入れる革新性」を生かしながら、「山口・食」を通した山口の魅力を再発見したいと考えています。

プロジェクトを計画しようと思ったきっかけは何ですか?

 昨年の2018年が明治150年にあたることから、山口大学と防府市との包括連携事業の一環として、日英饗応料理の再現を行いました。そこでは、幕末に三田尻(現在の防府市)で、毛利藩主父子とイギリスのキング提督が会見した際の料理を再現しました。その一部は、昨年度の山口学研究プロジェクト「明治150年から見える山口県の未来」で『日英饗応料理から現在に至る食文化の変遷』として報告しています。
 本研究プロジェクトは、これまでの成果を踏まえ、江戸~現代の長州食材の再発掘として、さらに文理融合の立場で、研究を進めるものです。山口大学という総合大学の利点を活かして、総合的・学際的に展開していきたいと考えました。
 個人的には、山口大学で文理融合の研究会を行いたいという長年の思いの実現です。大学院生のときに、国立民族博物館(大阪府吹田市)で実施されている共同研究会に参加させていただき、いろんな分野の人がディスカッションして研究が展開し成果がでていく様子に、とても刺激を受けました。いつかそのような研究会を自ら主催してみたいと思っていました。

具体的にどのようなことをするのですか?

 本プロジェクトの目標として、【文化・歴史・機能をあわせもつ食材の再発見】、【時代と地域を超えた食文化による価値の創出】、【食による地域活性のキラーコンテンツの作成】の3つがあります。
 具体的には大きく2つの課題を設けています。1つ目の課題は、「山口の食材の復元・再発見 と科学的な高付加価値化」であり、「江戸~現代の長州食材の再発掘」として、史料から見た江戸から現代の長州食材の再発見、データベースと遺伝子多型による幻の長州食材の復元などを実施します。2つ目の課題は、「食の歴史的・地理的な比較および調理の変化と教育への影響」であり、「江戸~現代の長州・英国の食文化」として、文献資料から見た江戸から現代の長州・英国の食文化、食の歴史・国際化・比較文化による食の価値の創出、食の学び・味わい・体験を通じた食育・教育・産業への提言をいます。
 これらを文理融合のスパイラルとして、定期的に研究会を開催しながら研究を進めています。
 

最後に一言お願いします。

 山口大学、および山口県内には幅広い分野の研究者がおられます。ご協力をお願いすることもあると思いますので、そのときはどうぞよろしくお願いいたします。
 学生のみなさんには、山口や食に関心を持って、さらに学際研究の面白さを感じていただけるような機会をつくることを考えてみたいと思います。
 また、地域のみなさまには、講演会等で山口の食に関して発信していきたいと思いますし、むしろ、いろいろ教えていたきたいと思っています。

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