研究科長メッセージ
近い将来、日本の労働人口の約半数が就いている職業が、技術的には人工知能やロボット等で代替可能になるという試算があります。今後の科学技術の更なる進展を考えると、人工知能やロボット等による代替のスピードは加速され、代替の範囲は拡がっていくことも予想されます。そのような時代を生き抜くためには、人間でないとできない事を実現する力、世の中に存在しない新しい製品やサービスを自ら創造する、いわゆるイノベーションを起こす能力を身につけることが必須と言われるようになってきました。
山口大学の理系大学院は、理学、工学、農学の各分野における教育研究の特色や強みを活かし、国際的に活躍できる高度専門職業人材を一体的に養成するために、平成28年4月、理学、工学、農学系のそれぞれの専攻を統合した「創成科学研究科」を新設しました。創成科学研究科では、理学、工学、農学に関するしっかりとした学部専門知識と技術経営の知識を活かして、グローバルな視点を持ってイノベーションの創出に貢献できる研究者・高度専門職業人材の養成を目指しています。
博士前期課程・修士課程は、理学系2専攻、工学系4専攻、農学系2専攻の合計8専攻を設置し、それぞれの専攻に複数の教育コースを置き、学士課程との接続性に配慮した編成とすることにより、学生及び社会から見たキャリアパスの明確化を図るとともに、先取り履修制度等による6年一貫教育を推進しています。
博士後期課程は、理学系1専攻、工学系3専攻、理学・工学・農学を融合したライフサイエンス系1専攻の合計5専攻を設置し、分野融合による新しい学際分野の研究を推進しています。
創成科学研究科の教育課程の特色として、それぞれの学系の学部教育の違いを埋め、融合教育を可能とするとともに、どの分野であっても必要な基礎知識や技術を身に付けるための研究科共通科目を設定しています。この研究科共通科目では、研究を自ら企画し、推進するための知識や能力を身につけるキャリアデザインや長期インターンシップなどに取り組むキャリア教育科目、研究者としての行動規範や知的財産に関する知識を身につける研究基盤科目、イノベーションの基盤となる知識や方法を身につけるイノベーション教育科目を開設しています。
これからの時代を自ら切り拓き、新しい分野への展開を積極的に推し進めていくバイタリティーのある皆さんを、我々教職員は積極的に様々な形でサポートしていきます。
ここで学び、自分なりの新しい何かを創り出しましょう!
大学院創成科学研究科長
山田 陽一