山口大学大学院創成科学研究科 創成科学研究科

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大学院創成科学研究科化学系専攻(藤井研究室)の田窪 樹さんと出口由菜さんが電気化学会第90回大会において優秀学生講演賞を受賞しました

(令和5年5月11日掲載)

2023年3月27日〜29日に東北工業大学八木山キャンパスで開催された電気化学会第90回大会において、藤井研究室の博士前期課程1年・田窪 樹さんと出口由菜さん(共に発表当時、学部4年生)がそれぞれ「優秀学生講演賞」を受賞しました。
田窪さんと出口さんが発表した内容と感想は下記のとおりです。

田窪 樹さん
S1セッション:溶液化学の新しい展開
受賞講演題目:超濃厚LiFSA電解液を反応場とする金属イオン架橋型均一網目ゲルの電解質特性

電解液と高分子を組み合わせた高分子ゲル電解質はLiイオン電池をはじめとする蓄電デバイス用電解質材料として広く応用されており、その基礎物性(力学特性、膨潤挙動等)は電解液と高分子の相溶性(混ざり易さ)に依存します。今回の講演では、Li塩を溶解した有機電解液中の不溶なポリエーテル系高分子を均一に溶かす超濃厚化技術に着目し、高分子末端に化学修飾したキレート配位子と高濃度Liイオンの錯形成反応を駆動力としてゲル化する新規ゲル電解質材料について報告しました。
今回の受賞に対して田窪さんは、「今回の受賞は、これまで丁寧に研究の道筋を作られた藤井先生と藤井研究室の卒業生がいるからこそだと思います。ご指導くださった藤井先生、共に支えてくれた研究室の仲間や関係各位に感謝致します。賞を頂いたことを励みに、今後も研究活動に励みたいと思います。」と述べています。

出口由菜さん
S8セッション:電池の新しい展開
受賞講演題目:超濃厚LiFSA/アセトニトリル電解液を反応場とした均一高分子網目ゲルの架橋反応メカニズムと電極反応特性

Li塩を有機溶媒に溶解した液体電解質を高分子網目で擬固体化した高分子ゲル電解質は、Liイオン電池などの蓄電デバイス分野における機能性ソフトマテリアルとして世界的に研究が進められています。今回の講演では、Li塩濃度を極限まで高めた「超濃厚電解液」と4分岐高分子からなる「超均一高分子網目」を複合化したLiイオン電池用ゲル電解質を新規に合成し、その力学特性や電気化学特性を調べるとともに、電極/ゲル界面における電極反応メカニズムを分子レベルで議論しました。
今回の受賞に対して出口さんは、「この度はこのような賞をいただき大変光栄に思います。現地での学会発表は見聞の広まる経験となりました。ご指導・ご質問いただきました先生方並びに学生の皆様に感謝申し上げるとともに、より一層研究に精進して参ります。」と述べています。

受賞した田窪 樹さん
受賞者の出口由菜さん
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