山口大学大学院創成科学研究科 創成科学研究科

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第6回時間防災学セミナーを開催しました

(令和6年4月19日掲載)

 

 2024326日(火)、WEBにて「第6回時間防災学セミナー」(地域レジリエンス研究センター防災・減災グループ、グローカル環境・防災学研究会共催)が開催され、大学、民間企業、その他一般から136名が参加しました。
 セミナーでは、一般財団法人砂防フロンティア整備推進機構専門研究員の井上公夫氏が、1923年の関東大震災による土砂災害を中心に、現地調査および膨大な歴史的資料から読み解いた知見を講演しました。
 関東大震災では、東京の火災による被害がよく知られていますが、神奈川県横浜市でもほとんどの市街地が火災で燃えたこと、また、神奈川県は火災以外にも土砂災害が原因の死者および住宅被害が多く発生したことが紹介されました。関東大震災の前日にかなりの降雨があり、また大震災の2週間後の台風でもかなりの降雨があったことから、地震直後の土砂災害だけでなく、2週間後の台風による土砂災害でも多くの被害がありました。様々な資料から明らかになった詳細な被害状況について、多くの写真、動画等の貴重な歴史的資料を示しながら説明がありました。
 横浜市街の地震直後の被害状況については、当時の横浜在留外国人であるアメリカ人貿易商プール氏が「古き横浜の壊滅」という著書を残しており、彼が震災直後どのような経路で避難したかをたどることで当時の生々しい被害状況を知ることができることが紹介されました。過去の災害から学ぶ際、災害を扱った文学作品も貴重な資料となることを知ることができ、大変有意義なセミナーとなりました。
 講師の井上氏は、多くの著書や土木情報サービス「いさぼうネット」のシリーズコラム「歴史的大規模土砂災害地点を歩く」で歴史的大規模土砂災害の事例を多数詳細に紹介しており、今回のセミナーで紹介しきれなかった事例については以下で読むことができます。

 

シリーズコラム「歴史的大規模土砂災害地点を歩く」:https://isabou.net/knowhow/colum-rekishi/index.asp

【講演内容】

講師:井上 公夫 氏(一般財団法人砂防フロンティア整備推進機構 専門研究員)

講演題目:「関東地震(1923)による土砂災害の概要とプールの逃避行、復旧・復興に果たした神戸の役割」

 

地域レジリエンス研究センター防災・減災グループHPhttps://ds0n.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~cldpm/index.html

 

井上氏によるセミナーの様子

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