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大学院創成科学研究科博士後期課程物質工学系専攻の河田尚美さん(物質構造化学研究室)が国際会議MRM2023/IUMRS-ICA2023において「Poster Award」を受賞しました

(令和6年5月14日掲載)

 大学院創成科学研究科博士後期課程物質工学系専攻3年の河田尚美さん(物質構造化学研究室:中塚研究室)が、2023年12月11日(月)~16日(土)に国立京都国際会館で開催された国際会議MRM2023/IUMRS-ICA2023 において、「Crystallographic Configuration of Extraframework Species in a Largely Cs-exchanged Natural Ca-chabazite Studied by Single-crystal X-ray Diffraction」という研究発表でPoster Awardを受賞しました。この国際会議は、物質科学を中心に幅広い分野の研究者が世界各国から集う大規模な国際会議です。今回は、40か国以上から2000人を超える参加があり、1860件を超える研究発表がありました。そのうち、複数名の審査員による審査の結果、18名の学生がこの賞に選ばれました。
 河田さんの受賞研究は、天然ゼオライト化合物の一種であるチャバサイトのCs交換体の精密結晶構造を単結晶X線回折法から求め、細孔内でのCsイオンの選択的占有サイトの存在・化学結合性・拡散パスを明らかにし、その結果に基づいた構造化学的見地から、その優れたCs交換能力をもつための要因を明らかにしたものです。ゼオライト化合物などのマイクロポーラス結晶は、構造中に原子レベルの大きな細孔をもち、細孔内に分布する陽イオンが容易にイオン交換するのが特徴で、その優れた特性を応用して、実際に福島原発事故での放射性元素除去剤として利用されている物質群です。特にCsは、福島原発事故による放出量が多く、半減期が長いため、特に問題となっている放射性イオンです。今回の受賞研究は、Cs除去剤としてマイクロポーラス結晶を材料設計するために必要な結晶学的指針を示すことができたという点で大きな意義をもちます。
 河田さんのますますの活躍を期待するとともに、本学は今後も学生の研究活動の支援に努めてまいります。

 

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