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第10回防災・減災講演会を開催しました
(令和6年12月5日掲載)
2024年11月18日(月)、「第10回防災・減災講演会」(地域レジリエンス研究センター主催、自然災害研究協議会中国地区部会、特定非営利活動法人応用斜面工学研究会後援)が、山口大学工学部会場とWEB配信を併用したハイブリッド形式で開催され、大学、民間企業及びその他一般から337名(会場32名、WEB305名)が参加しました。
講演会では、神戸大学名誉教授・兵庫県立大学名誉教授の室﨑益輝氏が、「災害の時代におけるコミュニティ防災のあり方」と題して講演しました。
災害が激甚化し想定外の災害が頻発する中、防災自体やコミュニティを進化させて対応する必要があるとのお話がありました。社会の減災を進めるためには、ハードウエアの対策だけでは巨大災害を抑え込むことはできず、ソフトウエア、ヒューマンウエアの対策を加えていくなど様々な対策を組み合わせることが重要で、その中でコミュニティが果たす割合が大きいことが紹介されました。また、従来のコミュニティ防災はその土地に根ざした住民が担い手となるボンド型であったが、高齢化などでコミュニティ自体が衰退化する中、コミュニティ内外の専門家などが協力するブリッジ型に進化していく必要があることが紹介されました。
東日本大震災後の教訓を踏まえた2013年の災害対策基本法の改正により、地区防災計画が公的な計画と位置付けられてから10年を迎え、全国各地に広がった取組みの中から先進事例がいくつか紹介されました。計画対象コミュニティの単位や関わる人も様々で、取組み内容に決まった正解がある訳ではなく、それぞれの地区にあったものを自らつくりあげることが重要であるとの認識が示されました。
長年にわたり数々の災害現場に関わった経験にもとづいた防災、減災についての考え方が、多くの事例とわかりやすい例えを踏まえて紹介され、すべての人が日々防災について真剣に考え取り組まなくてはいけないことに気づかされる貴重な機会となりました。
【講演内容】
講師:室﨑 益輝 氏(神戸大学名誉教授・兵庫県立大学名誉教授)
講演題目:「災害の時代におけるコミュニティ防災のあり方」
地域レジリエンス研究センター防災・減災グループHP
https://ds0n.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~cldpm/index.html