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地球科学分野の学生と卒業生が日本応用地質学会中国四国支部で受賞

乾智美さん、窪津優花さん、納庄毅さんが、日本応用地質学会中国四国支部で受賞。

令和4 11 18 日に行われた日本応用地質学会中国四国支部令和4 年度研究発表会において,地球科学分野の学生と卒業生が表彰されました。みなさん、おめでとうございます。

優秀発表賞

  • 山口県防府市剣川における過去約1,000 年間の土石流堆積物の年代層序
  • 納庄 毅さん(本学科卒業生)

表彰理由

近年の豪雨災害の多発に伴い,併発する土石流についても発生履歴の調査に基づく長期評価への検討が盛んとなりつつある.そのような中で,浸食や堆積により,過去の土石流発生履歴のデータが欠損している可能性のある本流での調査を補完するため,より小規模な履歴を保存していると推定される支沢に注目し,詳細な露頭観察による層位学的調査と14C 年代分析を行った.

この着眼点と,研究の結果,ある期間においては本流で確認された発生履歴より有意に短い発生間隔を確認できたことは,今後の土石流の発生履歴検討にあたり,より安全側で精度の高いデータを得られる可能性を示したものと評価される.また,対象とする支沢を増やすことにより,エリアとしての高精度調査や,流域が複数の基盤岩から構成されている場合の発生履歴への岩種の影響評価等,今後の技術的な発展が大いに期待できる.

以上の点から,本業績は優秀発表にふさわしいと認められた.

 

優秀ポスター賞

  • 秋吉石灰岩における割れ目と崩壊の関係性
  • 乾 智美さん(地球圏システム科学科4年生)

表彰理由

本研究ではMine 秋吉台ジオパークの自然資源である2つの鍾乳洞(景清洞,大正洞)について,洞内の断層の存在やその規模が,鍾乳洞の成因の一つである崩落と大きく関係することを示し,断層と洞窟の空間的な関係が崩落の起こりやすさを規制する可能性を示唆した.この成果は,鍾乳洞の成因解明とその保全に大きく寄与するものであり,今後の地域ジオパーク活動を盛り上げ,また安全・安心なジオツーリズムを提供するために有用な情報と言える.ポスターには洞内の平面図,断面図,写真等が効果的に配置されたことで,聴講者の興味と理解を促し,議論を活性化させる工夫がなされていた.

以上の点から,本業績は優秀発表にふさわしいと認められた.

 

新人賞

  • 山口県美祢市喜多平鉱山に産する鉱石の鉱物学的特徴
  • 窪津優花さん(博士前期課程2年)

表彰理由

本発表はスカルン鉱山に関する研究である.喜多平鉱山のズリ山試料を偏光顕微鏡下にて丹念に観察・記載するとともに化学分析も併用し,試料を分類することで鉱床の累帯配列を明らかにした.また,その結果に基づいて鉱床・元素の形成機序を考察した.鉱山が閉鎖され露頭観察出来ない限られた条件のもと,ずりを丹念に記載・分類することで鉱床の形成機序を明らかにしており,その作業内容と考察プロセスは応用地質学としても学ぶところが多い.また近年注目が高まっている自然由来重金属含有土への対応についても,このような基礎的な岩石記載・知見が役立つと考えられる.

以上の点から,本発表は新人賞にふさわしいと認められた.

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