共同獣医学部6年戒能靖史さんが第76回西日本生理学会において
「日本生理学会九州奨励賞(学部学生部門)」を受賞しました

2025.11.11

 共同獣医学部6年の戒能 靖史さん(生理学・生化学研究室)が令和7年11月1日に開催された第76回西日本生理学会において、「日本生理学会九州奨励賞(学部学生部門)」を受賞しました。

 対象となった研究テーマは「ネコひねり行動を可能にする脊椎の可動性の検討」です。ネコは背中から落下した際、空中で身体を反転させて無事に着地することが知られています。この運動はネコひねり行動と呼ばれており、ネコの脊椎が持つ柔軟性が可能にするネコ科動物特有の行動と考えられています。戒能さんの研究は、このネコひねり行動と脊椎の回旋(ひねり)方向の可動性に注目したものです。この研究ではネコの脊椎標本を胸椎部と腰椎部に分け、回旋方向の可動性を測定する材料試験とネコひねり行動中のネコ脊椎のねじれに対するビデオ画像解析が行われました。材料試験からは胸椎が腰椎より2倍以上幅広く回旋でき、さらに胸椎の方が腰椎より回旋させやすいことが分かりました。また画像解析の結果、すべてのネコひねり行動において胸部が先に回旋を終わらせ、その後腰部が回旋を終わらせることで全身を反転させている様子が確認されました。戒能さんは、これらの結果からネコひねり行動では柔軟な胸部が先に回旋することは頭部から視覚や平衡覚などで情報を得て最適な運動を決定する形で無事に着地することへ役立っていると推察しています。

 受賞に際して戒能さんは「この度は奨励賞をいただきまして、誠にありがとうございました。この場をお借りしましてご指導いただいた先生方、そして発表に向けた練習に付き合ってくださった研究室の皆様に心より感謝申し上げます。研究を通じて運動生理学という分野にはまだまだ探求する余地があると感じるばかりです。今回の発表が、動物の運動というマクロな視点での研究の面白さに気付いていただくきっかけとなれば幸いです。」と感想を述べています。



賞状を手にする戒能 靖史さん