山口大学医学部 医学部

病理形態学(旧 病理学第一)

病理形態学(旧 病理学第一)

教授名 池田 栄二
講座メンバー 池田 栄二,崔 丹,田中 瑛,森重 拓士
医学科担当科目 基礎病理学総論,臨床病理学1,病理組織実習1,基盤系特別専門講義,臨床実習,自己開発コース,修学論文テュートリアル,Open Science Club,SCEA/AMRA
大学院担当科目 病理形態学特論Ⅰ,病理形態学特論Ⅱ
居室 医学部本館4階
TEL 0836-22-2220
FAX 0836-22-2219
Email pathol1@yamaguchi-u.ac.jp

講座の紹介

研究

当講座では、下記の研究を行っている。

 〔神経組織の血管バリアー機能と疾患〕 成体の神経組織では、神経組織特異的に分化した血管系が、血管バリアー (血液脳関門、血液網膜関門など) を形成することにより、神経細胞が正常に機能するための組織微小環境を維持している。虚血性脳疾患、糖尿病網膜症、アルツハイマー病など様々な難治性神経系疾患においては、血管バリアーの破綻が病態悪化の中枢を担うことが知られている。当講座では、神経組織における血管バリアーの病的破綻の責任因子を特定し、それらを治療標的とした難治性神経系疾患に対する新規治療法を開発すべく研究を進めている。

 〔新規の組織診断基準および治療法開発を目指した脳腫瘍 (特に、グリオーマ)の病態解析〕 近年、遺伝子診断の進歩とともに、臨床医学の現場における病理組織診断の果たす役割に変化が生じてきている。その傾向は、脳腫瘍、特にグリオーマの診断において顕著である。当講座では、『疾病の病理学的・生物学的特性(悪性度、治療抵抗性、他)を明らかにし提示する』という病理学、病理診断業務の原点に立ち返り、グリオーマに対する新たな病理診断のあり方の提唱、さらにはグリオーマの根治を可能とする新規治療標的分子の特定を視野に入れ、腫瘍幹細胞の概念を含めた多角的な側面からグリオーマの病態解析を進めている。

 〔成人肺の再生研究〕 肺という臓器は、呼吸機能を営むための特異的な3次元構築を示しており、その再生療法の実現には未だ多くの研究が必要な状態である。組織を再生させる戦略としては、1) iPS細胞などの細胞移植による戦略、2) 細胞外基質などの足場(+細胞)の導入による戦略、3) 組織に潜在する再生能力の覚醒による戦略が挙げられるが、当講座では、3) の戦略により成人肺の再生を実現すべく研究を進めている。

教育

「基礎病理学総論」「臨床病理学」「病理組織実習1」(医学部医学科2年)などの座学と、「臨床実習1」(医学部医学科5年生)による臨床病理業務実習を有機的に統合し、病理の全体像を俯瞰した卒前教育を実践している。また卒後教育に関しても、県内関連施設との連携も含め、病理専門医取得のための研修体制が整備されている。

臨床病理業務

患者様から採取された生検検体(組織)、細胞診検体(細胞)、手術切除検体(組織)の肉眼的・組織学的観察を行い、疾患の病態についての最終診断を下す臨床病理業務を担当している。また、不幸にして亡くなられた患者様のご遺体を解剖することにより、生前の診断・治療の妥当性について、臨床担当医とともに議論し、医療の質の向上に貢献している。

実験風景
多重染色による解析
臨床実習風景
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