山口大学医学部 医学部

システムバイオインフォマティクス(旧 衛生学)

システムバイオインフォマティクス(旧 衛生学)

教授名 浅井 義之
講座メンバー 浅井 義之,早野 崇英
医学科担当科目 医学入門1,医学英語,データ科学と社会Ⅰ,Ⅱ,医用統計学・医用AI学,医用統計学・医用AI学演習,システムバイオインフォマティクス,社会医学基本実習,基盤系特別専門講義,自己開発コース,修学論文テュートリアル,Open Science Club,SCEA/AMRA
大学院担当科目 システムバイオインフォマティクス特論Ⅰ,システムバイオインフォマティクス特論Ⅱ
居室 基礎研究棟5階
TEL 0836-22-2229
FAX 0836-22-2345
Email sysbio@yamaguchi-u.ac.jp

講座の紹介

 当講座では、システムバイオロジーとバイオインフォマティクスならびに機械学習の観点から、生理機能、病理の解明、そして病態の予測や新薬の創出など医学・生理学に貢献する知見・技術の創出を目指しています。
 これまでの生命科学は、ゲノムからはじまり、タンパク質、細胞、組織、そして臓器・身体レベルまで、生理機能の各階層においての研究が中心となっていました。2003年に達成されたヒト全ゲノム解読以降、次世代シーケンサーの登場とバイオインフォマティクス手法の開発により、疾患に関連するゲノムの情報は増大し続けています。時をほぼ同じくして、これまでに蓄積された膨大な量の知見を統合して生理現象の総体を理解しようとするオミクス研究の1つであるフィジオームと、生理機能をシステム論的観点から理解しようとするシステムバイオロジーが隆興してきました。これまでの生命科学が、遺伝子やタンパク質などの分子に着目していたのに対し、システムバイオロジーでは、モノが構成するネットワーク(システム)の動き(ダイナミクス)を主な研究対象としています。
 システムバイオロジーの立場から生命機能を見直すと、疾病状態というのは健康状態に対応する生体のダイナミクスが変調を受け生存にとって不利益をもたらす状態であると解釈することができます。これまでは、疾患を引き起こす原因を解明し、その部位を元に戻そうというアプローチがとられていました。ダイナミクスに立脚するアプローチでは、疾患の原因部位を元に戻さなくても、別の部位を調節することで乱れたダイナミクスを元に戻し治療することができる可能性が考えられます。これを実施するには、システムバイオロジーに加えて近年発展がめざましい2つの解析技術を導入する必要があります。1つは、高度な統計学を用いて遺伝子解析を行うバイオインフォマティクスです。もう1つは、大量のデータを構造化することで未知の知識を顕在化する人工知能(AI)・機械学習技術です。
 当講座では臨床・実験系の研究室と積極的に共同研究を展開し、神経系の情報伝達機能、膵臓内分泌機能、心機能、薬物動態などに関するモデルを作成し、シミュレーション研究を展開しています。これらのモデル開発には研究者間でのモデルの共有や再利用が必須であり、それを円滑に行うためには適切なソフトウェアによるシステマティックなサポートが必要です。当講座では、生理機能の多階層モデリングやハイパフォーマンスシミュレーションを支援するためのソフトウェアの開発も行っています。また、モデル構築の基盤となるバイオインフォマティクス手法の研究も行っています。

システムバイロジーとAI・機械学習を融合させて研究・教育を推進する
薬物による心臓不整脈発生の危険性評価
多階層膵β細胞モデルによる膵内分泌系機能評価
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