高次脳機能病態学(旧 神経精神医学)
高次脳機能病態学(旧 神経精神医学)

教授名 | 中川 伸 |
講座メンバー | 中川 伸,松原 敏郎,樋口 文宏,原田 健一郎,萩原 康輔,山科 貴裕,野田 稔子,陳 冲,富永 香菜 |
医学科担当科目 | 高次脳病態系,加齢・老年病態系,自己開発コース,修学論文テュートリアル,AMRA,臨床実習 |
附属病院診療科 | 精神科神経科・心療内科 |
居室 | 臨床研究棟9階 |
TEL | 0836-22-2255 |
FAX | 0836-22-2253 |
seisin@yamaguchi-u.ac.jp |
講座の紹介
患者さんの気持ちを理解し信頼関係を築けるよう、豊かな人間性・共感性と科学的思考を兼ね備えたバランスのとれた医師育成を目指して、学生教育に力を入れています。精神薬理学や神経科学的な基礎知識をまず身につけ、次に患者さんの心理社会的背景に配慮しつつ、科学的思考に基づいた治療計画を立てられるようになることが目標です。
医学科3年生時の自己開発コースでは、当講座の研究グループに参加するほか、学外での実習・調査や国内外の先進的な研究施設での研究に携わることもできます。医学科4年生ではユニット講義を通して、精神医学や精神科医療に関する総合的な知識を学んだうえで臨床実習1(ポリクリ)に臨み入院患者1名を担当します。その他、外来初診患者の予診と本診陪席や症例報告会への参加を通じて、精神医学的現在症や状態像が理解できるようになります。医学科5年生の臨床実習2(クリニカルクラークシップ)を選択すると、入院患者複数名の「副担当医」となり、診断過程の検討や適切な治療計画を担当医と策定するなど、診療により深く関わります。その他、外来初診患者の予診、リエゾン初診患者の診察の陪席、緩和ケアチームへの参加、学外実習(山口県立こころの医療センター、高嶺病院など)を通じて、より深く精神科臨床を経験できるバリエーション豊かな実習内容を用意しています。
当講座の研究部門は3つのグループに分かれており、日常臨床で生じた臨床疑問を解決するための幅広い経験と技術が集積された場での研究が可能です。
<分子細胞生物学グループ>
うつ病などの気分障害の発症には生物学的要因や心理学的要因などの影響が考えられていますが、発症メカニズムはまだ十分に解明されていません。また、気分障害の病態理解や診断のために、患者さんの生体内の変化を反映したバイオマーカーは重要なツールになりますが、現在臨床で応用できるものは見つかっていません。そこで、気分障害の診断に有用なバイオマーカー(遺伝子、タンパク質、糖鎖)を同定し、ストレス関連精神疾患の発症・回復機序の理解をめざしています。
<認知神経科学グループ>
うつ病や不安症を中心に、個々の患者さんに対する最適な治療法の確立や発症の早期予測を目指して研究しています。具体的には、診断、病態解明、治療反応性、予後予測などに関するトランスレーショナルリサーチに力を入れています。研究手法として、人間の知性と感情などの高次脳機能を支えるメカニズムを、計算理論(行動経済学的モデル)、行動実験、心理検査、脳活動計測(機能的核磁気共鳴画像fMRIや近赤外分光法NIRS)、機械学習などを組み合わせて解明し、実臨床で応用できるバイオマーカーの開発を行っています。
〈疫学研究・臨床研究グループ〉
疫学研究とは、多数の人の情報を集め、健康や病気に関連するリスク因子と転帰の関連や、介入の有効性を分析し、その結果を実臨床での病気の治療や予防に役立てる研究です。当科で実際に経験された臨床のデータを集め、解析しています。具体的には、大学生やがん患者さんのメンタル不調に関連するリスク因子、摂食障害患者さんの効果的な再栄養方法や退院後の再入院に関連するリスク因子、当院に搬送された自殺企図患者さんの背景因子などを現在検討しています。


