山口大学医学部 医学部

神経・筋難病治療学講座

神経・筋難病治療学講座

教授名 竹下 幸男
講座メンバー 西原 秀昭
医学科担当科目
居室 医明館8階
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講座の紹介

 臨床神経学講座との連携講座として,2021年4月から山口大学医学部 神経・筋難病治療学講座が開設されました。神経・筋領域の難病については,その希少性や診断の困難さから,有効な治療薬がないことなど,診断治療については多くの課題がありましたが,最近20年の医学研究の進歩により,以前とは比較にならない程の有効な治療薬が開発されています。
 そこで問題になるのは,神経・筋難病の適切なタイミングでの専門医への連携と正確な診断および治療経過を評価するためのプラットフォームとしての基幹病院の存在です。
 神経・筋難病の急性期から慢性期までトータルな診療を行う基幹病院は少なく,画像および病理診断を含めた確実な診断を踏まえた疾患のデータベースの構築と臨床神経学講座と連携して若手脳神経内科医師の教育を行うことを主な目的としています。さらには,新規薬剤の開発に必要な臨床治験をすすめるために必要な協力体制の構築にも注力したいと考えています。

主な研究内容

1. 神経・筋難病について一貫した診療を実現するためのプラットフォームの構築

 神経・筋難病の患者さんに対し正確な診断を行い,適切なタイミングで診断に沿った治療を開始,継続していくため必要な拠点医療機関の構築を行います。実際のプラットフォームとして,下関市の「特定医療法人 茜会 脳神経筋センターよしみず病院」を活動の場として捉え,同地域の神経専門医および非専門医との連携を図りながら,神経・筋難病患者さんの診療ネットワークを構築し,急性期から慢性期まで,さらには亡くなられた後の病理学的診断に至るまでの診療を実現することを目標にしています。

2.新規治療の開発に向けた治験実施への協力体制の構築

 神経・筋難病の治療は近年続々と開発されていますが,未だ根本的治療法がない疾患が多い状況です。新規薬剤についての治療効果を評価する際に必要な臨床治験も,稀少疾患である神経・筋難病の患者さんをリクルートすること自体が難しい場合があります。拠点施設で神経・筋難病の診断,治療に関するデータベースの蓄積を行いながら,継続的に診療していくことで,治験開始の周知や希望者のリクルートが容易になることが想定されるため,このような協力体制を構築していきます。

3. 若手医師の教育機関としての機能

 脳神経内科医数は全国に約9,500名ですが,一般的な神経・筋疾患や神経・筋難病を診療するためにはまだまだ不足しており,特に地方では大学病院以外に若手医師の教育が可能な医療機関の増設が急務です。脳神経内科指導医および専門医を複数名配置し,教育機関に相応しい画像診断,電気生理学的検査機器,急性期と慢性期病棟,慢性期の難病を診療するための特殊疾患病棟を兼ね備えた拠点施設で,モチベーションの高い医学生および若手医師の教育機関機能を整備充実します。

4.医療スタッフおよび地域住民への啓発活動

 地域医療連携で必要な事は,脳神経内科専門医ではない他科の医師や医療スタッフ,他の医療機関,地域住民との共通理解と協力体制です。神経・筋難病というと,生活習慣病などとは縁遠い疾患のように聞こえてしまいがちですが,分かり易い情報を周知することで,これらの疾患啓発および患者さんへの理解を進めていきます。

講座スタッフ


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