2026年度 共同獣医学部長のあいさつ
山口大学共同獣医学部は、1944年に創設された山口高等獣医学校を源流とし、農学部獣医学科を経て、2012年に鹿児島大学との共同教育課程として新たな歩みを開始いたしました。創設以来、地域の皆様のご支援と高い理想に支えられてきた歴史は、本学部の大きな誇りです。これまで発展を支えてこられた先人のご尽力と、地元の皆様に深く感謝申し上げます。
本学部は、社会の変化に応じて獣医学教育の充実に取り組んでまいりました。動物の命と向き合うと同時に、人と社会の課題に応えることが、現代の獣医学に求められています。獣医師の役割は、動物の診療にとどまらず、基礎的な生命科学研究、動物を通じた生命現象の理解、公衆衛生、感染症対策など多様な領域へと広がっています。こうした要請を踏まえ、本学部では獣医学の専門性を社会と結びつけた教育を推進しています。また、人と動物のよりよい関係とウェルビーイングを考える「One Welfare」の視点も重視しています。
鹿児島大学との共同教育課程では、相互補完型の教育を展開し、遠隔講義により両大学の教員による多様な専門分野の授業を提供しています。さらに、対面での実習や学生交流を通して、多様な価値観に触れる機会を確保しています。こうした教育資源の共有は、幅広い視野と多角的な思考力を育む本学部の特長です。
獣医学の学びは、講義だけで完結するものではありません。実習や研究を通して現象を主体的に捉え、理解を深めることを重視しています。基礎・応用・臨床を有機的に結びつけることで、知識を実践へとつなげる力を養うとともに、他者と協働し、適切に意思を伝えるコミュニケーション能力を育成します。動物と向き合うだけでなく、人と関わりながら課題を解決できる人材の育成を目指しています。
今後も、社会とつながる獣医学教育を一層発展させ、地域社会および国際社会に貢献できる人材の育成に努めてまいります。
令和8年4月1日
共同獣医学部長 加納 聖

