山口大学農学部 農学部

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植物が香りを作り出す仕組みを紐解き利用する

生物機能科学科・准教授 肥塚 崇男

 いったん発芽すると自ら動くことができない植物は、受粉媒介者を呼び寄せたり、周りの生物とコミュニケーションを取るために「香り」を作り出し放散しています。一方で、私たち人類は、植物が生産する香りを香料や医薬品原料、食品添加物として生活に取り入れ利用してきました。それぞれの植物種がもつ香りは多種多様ですが、どのような仕組みで作られ、貯蔵もしくは放散されているのか意外と知られていません。私たちの研究室では、植物組織のどこで、どのようにして香りが作られているのか、特に香り成分を作り出す酵素に注目し、その生成機構を明らかにしようと研究に取り組んでいます。

 植物は光エネルギーを使って二酸化炭素と水から有機物を作り出す、地球上で唯一の生産者です。このような素晴らしい植物の能力を、私たちの暮らしに役立つ有用成分の生産に利用しない手はありません。植物は環境に応じてさまざまな代謝物を作り出す能力を秘めています。このような植物がもつ潜在的な代謝力や植物由来の有用代謝酵素を利用し、遺伝子工学やバイオテクノロジー技術をフル活用して、我たちの健康をサポートする機能性成分を効率的に生産するシステムの開発を行い、限りある植物資源の保全や有用成分の持続的な供給に貢献したいと考えています。

 

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