山口大学農学部 農学部

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極限“温度”生き抜くためには何が要る?

生物機能科学科・助教 佐藤 悠

 突然ですが、皆さんは衣服や空調設備なしで真夏や真冬を乗り切れますか?肉眼では認識できない微生物の仲間は、氷点下にもなる極域から 100℃を超える熱水域、昼夜で温度変動の激しい砂漠まで地球上のあらゆる環境から見つかり、それぞれの温度に適応しています。私たちの研究室では、これらの微生物の温度適応メカニズムを1つでも多く解き明かし、「(微)生物の生きられる温度範囲がどのように決まるのか」という根本的な問いに答えたいと考えています。

  

環境微生物の採取(左図)環境微生物の分析例(右図)

 

 但し、環境中に存在するほとんどの微生物は未だに実験室で育てる(培養する)ことすらできず、研究を進める上での大きな障壁となっています。近年、遺伝情報やその転写物を対象とした解析技術の急速な発展に伴い、「環境中にどのような微生物(群集)がいて、どのような機能を持つのか」を調べることが可能となりました。そこで、日本各地に存在する高温泉や冷鉱泉を対象として環境微生物の遺伝情報を収集・解析し、それらの情報に基づいて新しい微生物やそれらがもつ温度適応メカニズムの探索を行っています。また、見つけた分子機構をもとに微生物の生きれる温度範囲を操作する技術の開発にも着手しています。地球沸騰化後もこれまで通り生物資源を利用し続けるために、そのヒントを微生物たちから学んでいます。

リサーチマップ

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