山口大学農学部 農学部

本学への寄付

「月刊農学部長」第49号(2022年8月)

「月刊農学部長」第49号(2022年8月)

7月 この夏の電力事情と山口大学の自慢

 7月に入ってオミクロン・派生株による感染拡大の第7波が明確になりました。最近は、山口県も1000人超、全国では20万人前後の感染者が連日報告されるようになっています。農学部の中でも若干名の感染者は出ていますが、幸い前期もほぼ終了し、何とか通常の教育・研究活動が保たれています。そんな大変な状況下で、今年はさらに重大な心配事が発生しています。それは、昨年からの原油価格上昇に加え、ロシアのウクライナ侵攻も影響している光熱費単価の高騰です。例年並みの使用量でも、大学全体としての年間光熱費は3億円以上増加する試算が出ています。一個人では何ともならないようにみえる金額ですが、日々の省エネ対策を個人レベルで徹底する以外に妙案はありません。不必要な電気はこまめに切り、エレベータは基本使わないようにして、何とかこの夏を乗り越えましょう。皆さん、ご協力をお願いします。

山口大学の自慢(その4)~キャンパス内で天の川が見える~
 七夕に続いて、8月はペルセウス座流星群が話題になります。私の経験では、数ある流星群の中で最も安定して多くの星が観察できるのはこのペルセウス座流星群です。山口市は高いビルがなく、周辺の山も低く、広範囲に空を眺めることができ、星の観察に適しているように思います。しかし、街灯が多い所ではさすがに3等星以下の明るさを確認することはできません。もちろん、周辺の山中に行けば星はよく見えますが、そんな所に出かけるのはちょっと怖いという人には、キャンパス内の灯りが少ない所がお勧めです。例えば、農学部から東門にかけての農場付近、本部横の広場、ラグビーサッカー場の真ん中あたりが最適です。私の視力は眼鏡をかけて1.0前後ですが、その3か所なら4等星ぐらいまでは見えるので、うっすらと天の川を確認することはできます。先日も農場横を通りながら、彦星(アルタイ)と織姫星(ベガ)を確認しました。せっかく宇宙の果てから自分の網膜に届いた光なのですから、じっくりと観察してみたらいかがでしょう。両者は約14光年(130兆km)離れていて会うどころの距離ではないのですが、理論的にはおよそ17年前に彦星を、26年前に織姫星をそれぞれ出発した数十個の光子が自分の目の中(網膜上)で出会っているわけです。それにどんな意味があるのかよくわかりませんが、何だかロマンチックですよね。

 そんな天体写真を掲載することができたらいいのですが、私のカメラテクニックではちょっと無理です。代わりにと言っては失礼ですが、小林前学部長がiPadミニで撮影した湯田温泉駅の白狐と月の写真を掲載します。この三日月、欠け方が少し変だと思いませんか?そうです、これは2021年の11月19日に見られた皆既月食の写真なのです。星や月がどこからでもきれいに見えるなんて単なる田舎自慢と言われそうですが、何万光年も先の星をたくさん確認できる夜空は、やはり自慢すべきことだと思います。

 ちなみに、山口市には、KDDIのパラボラアンテナが20基以上設置されていますが、そのうち2基は、山口大学が電波望遠鏡としてブラックホールの研究に利用しています。そのパラボラアンテナの設置理由に「自然災害が少なく、電波障害の少ない場所」と明記されていますので、山口市の夜空環境が良いことは科学的にちゃんと証明されているのです。

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