山口大学農学部 農学部

本学への寄付

「月刊農学部長」第48号(2022年7月)

「月刊農学部長」第48号(2022年7月)

6月 附属農場DX改革と山口大学の自慢

 昨年末にR3年度補正予算で農場のDX改革のための予算が確保されました。研究、教育の充実のために、このような予算が確保できることは非常に喜ばしいことです。世の中で盛んにDXという言葉が使われますが、欧米ではXをtransformationの“trans”の略語として使われていることから、生まれた言葉のようです。では、このDXの意味するところは何でしょう。ネット検索すると3段階(①「デジタイゼーション(Digitization)」、②「デジタライゼーション(Digitalization)」、③DX:デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)があることが分かります。①と②はここ20年の間に身の回りで起こったことなので、容易に理解できます。例えば、①は卒論等の保存文書を書棚に陳列していた状態からデジタル情報にしてハードデスクに保存して省スペースを達成、②はそれをクラウド上に保存して関係者はいつでもアクセスして検索できる状態にして情報の価値を高めることと理解できます。難解なのは第3段階です。①と②の結果として社会的に好影響を生み出すのが③のDXと説明されていますが、実際に自分が社会に対してすべきことは何なのか、なかなか具体的に把握できません。大学の場合、「DX人材の育成」が大事なミッションになるのは間違いなさそうです。コロナ禍により世の中のDXは加速する様相を見せていますが、我々も乗り遅れないよう体制を整えないといけません。それどころか、我々大学人にはDXをけん引する立場になることが求められていると理解すべきです。

山口大学の自慢(その3)~天然記念物もいるALL in Oneコンパクト農場~
 上記のDX話題の続きで、今回は農学部附属農場の自慢です。全国にはたくさんの農学系学部があり、国立大学だけでも30ぐらい存在します。その中では、山口大学は学生定員100名(2学科各50人)という最小規模の農学部になります。所有する附属農場も約30haですから、他大学と比べて決して大きくはありません。ただ他大学の附属農場は、大学メインキャンパスと遠く離れたところに広大な敷地を有している場合が多く、教育・研究に利用する時に一日がかりの日程を組まなければならないこともしばしばあるようです。その点、山大農学部の附属農場は同じキャンパス内にあり、いつでも教育・研究に組み込める状態にあります。また、山の斜面に広がる果樹園、山麓の牧場、牧草地、平地には田んぼや畑が広がり、大小のため池も配置されています。さらに、農学部本館と農場の間には、植物工場や中高温微生物研究センターも立ち並び、本当にオールインワンなコンパクト農場を形成しています。
 そんな附属農場の牧場において、見島牛のハギノスズランちゃん(雌)が5月1日に誕生しました。母牛のハギノサギリちゃんも写真のようにすっかりお母さん業が板について、たのもしい限りです。貴重な純粋和牛である見島牛の血統を確実に維持するために、萩市や県立畜産試験場と連携して分散飼育をさらに推進して行きます。天然記念物に指定されている動物を学内で繁殖・飼育している大学なんて結構すごいと思いませんか?

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(5/6 農学部HPのトピックス掲載)

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(6/23 約2か月でこんなに大きくなりました!)

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