山口大学農学部 農学部

本学への寄付

月刊農学部長 第1-10号(2018年4月-2019年3月)

月刊農学部長 第1-10号(2018年4月-2019年3月)

月刊農学部長 第10号(2019年3月)

 

3月29日 研究室のお花見

 桜が咲き始め、暖かく良い天気だったので、午前中に研究室の学生たちと恒例の桑園の除草を行いました。桜がほぼ満開だった昨年と比べて、今年は4日早かったので、3分〜5分咲きというところでしたが、みんなで昼食の弁当を食べながらお花見を楽しみました。今年も満開の桜が新入生を迎えてくれそうです。

 

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3月22日 銀婚式

 結婚記念日はイギリスが発祥の地で、結婚して5年(木婚式)、15年(水晶婚式)、25年(銀婚式)、50年(金婚式)、60年(ダイヤモンド婚式)を節目として、お祝いをしていたそうです。日本では明治27年に、明治天皇の銀婚式を「大婚二十五年祝典」として盛大にお祝いしたことがきっかけとなって、結婚記念日が広まったようです。婚姻届提出日と結婚式挙行日のどちらを記念日とするかは定まっていないようですが、前者にしたがうと、私たち夫婦にとってはこの日が銀婚式となります。当日は、たまたま農学部と共同獣医学部の事務歓送迎会(事務の皆さん、いつも本当にお世話になっております)がありましたので、後日、記念にお揃いのタブレット端末(シルバー)を買ってお祝いをしました。それにしても、金婚式まではまだ道半ばです。

 

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3月20日 卒業式・修了式

3月21日 学位授与式

 大学院創成科学研究科の設置から3年間が経過し、ライフサイエンス系専攻(博士後期課程)の初代修了者らの学位授与式が大学会館で行われました。また、2日後には、維新公園のスポーツ文化センターにおいて学部および大学院(修士課程)の卒業式・修了式が行われました。社会人として巣立っていく卒業生・修了生および大学院への進学生たちのさらなる活躍と成長を期待して、それぞれの式に臨みました。是非、後輩たちが憧れ、勇気づけられるような存在となられるよう、誇りと思いやりを忘れずにそれぞれの人生を歩んで下さい。
 
 
 
月刊農学部長 第9号(2019年2月)

 

2月27日 昆虫(食)に親しむ会

 私が代表を務める山口大学研究推進体「新規昆虫能力の探索とその利用技術開発」では、メンバーの井内先生(農学部准教授)の研究室が中心となって、数年前から昆虫食の試食会を学内で開催しています。今回はその6回目でしたが、会場の第二学生食堂「きらら」に、教員、職員、学生、大学院生らが総勢50名以上集まり、テレビ局も取材に訪れ、大変賑わった雰囲気の中で昆虫食を楽しんでもらうことができました。試食に先立って、井内先生から昆虫食の優れた機能性に関する研究成果が紹介され、さらに、メンバーの内海先生(農学部教授)が高校向け「昆虫細胞 遺伝子導入・遺伝子発現観察キット」(詳しくは、月刊農学部長第6号をご覧ください)のデモを行いましたので、昆虫食だけでなく、研究推進体の活動に対する理解も深めていただけたのではないかと思います。ところで、最近、地球上の昆虫がカタストロフ的レベルで減少しているという科学的調査結果がシドニー大学のFrancisco Sánchez-Bayo氏らによって報告されました。全ての昆虫というわけではなく、約40%の昆虫種ということですが、生息環境の喪失、殺虫剤、気候変動などが原因ということです。この傾向が続くと100年後には地球上から昆虫がいなくなるかもしれないそうです。もしそんなことになれば、昆虫食を楽しむことができないどころか、昆虫を食べる鳥たちや、昆虫に花粉を運んでもらう植物たちも絶滅の危機に直面するでしょう。2015年の国連サミットで採択された持続可能な開発目標(SDGs)の達成は、まさにこうした事態を招かないために全世界が取り組まなければならない課題だと思います。ささやかな昆虫食から、そんなメッセージを感じたのはわたしだけでしょうか?

 

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昆虫食・コオロギのポップコーン(左)とセミチリ(右)

 

2月5日 会議 → 会議 → 会議

 会議が二つ連続する日は珍しくありませんが、この日は三つ、しかも全て別の場所への移動を伴い、大忙しでした。まずは、大学の吉田キャンパスで午前10時から昼まで定例の部局長会議がありました。1月の会議をインフルエンザで欠席した私にとって、今年最初の部局長会議となりました。昼食後、山口市内の翠山荘に移動して、13時から14時まで、この日発足することになった「やまぐちバイオ関連産業推進協議会」の幹事会に出席しました。山口県のバイオ関連産業の育成・集積を図るために産学公が連携して取組む体制ができたことは、さまざまなバイオ研究の成果創出と人材育成を行っている農学部にとって、願ってもない社会貢献のチャンスなので、積極的に協力していきたいという意向を挨拶の中で述べさせていただきました。そして、最後に宇部市の常盤キャンパスに移動して、16時から17時30分まで大学院創成科学研究科の教育評議会に出席し、大学院教育について、学外委員との意見交換を行いました。3年前に理学、工学、農学の大学院を統合して創設された創成科学研究科の現状と今後の課題について、さまざまな分野の企業および行政の立場からの意見を伺うことができたことは大変有意義だったと思います。その後、懇親会があり、吉田キャンパスに戻ったのは20時ごろでした。A Day In The (Dean’s) Lifeでした。

 

 

 

月刊農学部長 第8号(2019年1月)

 

1月21日 出前講義

 山口大学では、教員が高校に出向いて専門分野の内容をわかりやすく紹介し、大学への興味を深めてもらおうと出前講義を実施しています。各教員は、あらかじめ講義のタイトルと概要を地域未来創成センターのホームページ(http://www.ext.yamaguchi-u.ac.jp/chiiki/demaekougi.html)に登録・公開し、それを見た高校からの依頼があれば、日程調整後出動することになります。私は、「昆虫のバイオテクノロジー 〜昆虫に学ぶ〜」というタイトルで登録しており、本年度は県立防府高校から2年生対象の講義依頼がありました。前日は大学センター入試だったこともあり、この出前講義が山口大学農学部への進学を考えるきっかけになればという気持ちで臨みました。専門的な話ばかりでは難解で退屈すると思い、近年世界的に見直されている「昆虫食」の話題を紹介したり、遺伝子組換えカイコの蛍光繭や、昨年開催された国立科学博物館の特別展「昆虫」で購入したTシャツを持参して、講義の合間に見てもらいました。その甲斐あってか、多くの生徒さんは最後まで熱心に聞いてくれたようで、講義終了後に色々な質問が寄せられ、後日、印象に残った講義内容や興味を持ったことなどが書かれた感想文が届きました。大学の講義でも、最後に学生による授業評価アンケートを実施しますが、自由記述欄に感想を書いてくれる学生はほとんどいないので、新鮮な気持ちで読ませてもらいました。

 

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1月5日 A型インフルエンザ

 東京で正月を過ごし、3日の飛行機で山口に戻って仕事を再開した矢先に、インフルエンザを発症してしまいました。前年11月にワクチンを打っていたおかげか、発熱はひどくなかったのですが、腰痛がひどく、寝返りできない状態が数日続きました。3日の飛行機で、通路を挟んで隣に乗り合わせた女性客が、滑走路に向かう途中の機内で具合が悪くなり、自力では座席から立ち上がれず、客室乗務員に降りたたみ式の車椅子に乗せられて降機したので、ひょっとしたらその方が感染源だったのかもしれません。しかし、同じ飛行機に乗っていた私の家族は誰もインフルエンザを発症しなかったので、断定はできません。いずれにしても、新年早々、大学に出勤できなくなり、担当する講義と実験を休講にせざるを得ませんでした。その後、日本におけるインフルエンザの患者数は、増加の一途を辿り、1月21〜27日の1週間で220万人を越え、過去最高記録を更新したそうですが、こんな流行には乗りたくなかったです。

 

 

月刊農学部長 第7号(2018年12月)

 

12月3日 ジョイント・ディグリー・プログラム調印式

 山口大学とタイのカセサート大学の大学院国際連携農学生命科学専攻(修士課程)(ジョイント・ディグリー・プログラム)の共同開設に関する協定書への両学長による調印式が行われました。当初、2019年4月開設を想定して、2月2日にカセサート大学において一度目の調印式が行われましたが、諸事情により開設予定時期が2020年4月に延期されたため、今回、カセサート大学の学長らを山口にお招きして二度目の調印式を行うことになりました。農学部長として二度の調印式に同席した私は、改めて山口大学初のジョイント・ディグリー・プログラムの実現のために尽力しようという思いを強くしました。調印式後、カセサート大学の学長ならびに同行された農学部と理学部の学部長らと昼食および夕食を共にし、その思いを伝えつつ交流を深めました。

 この国際連携農学生命科学専攻では、山口大学の農学分野とカセサート大学の農学および理学分野の20年以上にわたる長い教育・研究交流の実績を基盤として、両大学の関連分野における特色と強みを生かし、熱帯性環境に棲息する微生物や植物を活用できる、国際感覚を持った高度専門職業人を育成することを目的としており、2年間の課程修了時に両大学から修士の学位を取得できます。

 グローバルな舞台で活躍するプログラム修了生を思い描きながら、まずは、3月の文部科学省への提出期限に向けて、設置申請書類の完成を急がなければなりません。年越しの宿題になりそうです。

 

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月刊農学部長 第6号(2018年11月)

 

11月17日 キャリアデザインⅡ

創成科学研究科の博士後期課程の院生向け選択科目「キャリアデザインII」はオムニバス形式の授業で、この日が担当だった私は、「私の研究戦略論 — 残り物には福がある —」というタイトルで研究経歴を紹介しました。常盤キャンパスから聴講に来た2名の工学系大学院生にとっては、一貫してカイコを中心とした昆虫遺伝学およびバイオテクノロジー研究を行ってきた私の話は、全くの異分野で、おそらく二度と聞くことはないと思いますが、少なくとも、私が好きな研究を続けてきたことに対して、うらやましさを感じたようです。養蚕業の衰退により、日本の農業の中では残り物となってしまったカイコですが、私には楽しい研究人生(福)を与えてくれました。実際には研究に苦労や失敗はつきものですが、その根本に楽しさや好奇心がなければ続きません。そんな私の研究姿勢が少しは伝えられたかなと思っています。

講義を終えて帰宅後、夕食時にテレビを付けるとNHKのブラタモリで「富良野・美瑛の合言葉 残りモノには福がある」を放送中でした。単なる偶然ですが、驚きました。

 

11月14日 画期的な高校・中学校向け理科教材キット開発の記者発表

細胞に遺伝子(DNA)を導入してその働きを調べる実験は、現代生物学における基礎的研究手法であり、世界中の大学及び研究機関で日常的に行われていますが、高校あるいは中学校の教育現場で、このような実験を手軽に行うことは困難でした。農学部では、2013年から4年間、高校及び中学校の教諭を対象にしたサイエンスリーダーズキャンプ事業「ミクロな細胞からマクロな生態系に至る可視化技術と解析手法」(科学技術振興機構主催)を実施してきましたが、そのフォローアップとして内海教授が開発した高校・中学校向け「昆虫細胞・遺伝子導入・遺伝子発現観察遺伝子キット」が、有限会社山口ティー・エル・オーから低価格で販売されることになりました。このキットを用いた実験は、室温で培養可能な昆虫(カイコ)由来の培養細胞を使用するため、遺伝子組換え実験の規制対象外であり、高校及び中学校の理科実験室で特殊な培養装置等を用いずに実施可能です。しかも、キットに含まれるLEDランプとフィルターを使えば、細胞内に導入した遺伝子から生産されるタンパク質の緑色と赤色の蛍光を、通常の光学顕微鏡で観察できます(高価な蛍光顕微鏡不要)。また、このキットを使うことにより、青色LEDと緑色蛍光タンパク質というノーベル賞を受賞された日本人研究者の成果も体験できます。多くの高校・中学校での理科教育に利用され、将来の日本のバイオサイエンス分野を支える若者の育成に役立つことを期待して記者会見に臨みました。なお、私にとっては、これまで私の研究室で昆虫のバイオテクノロジー研究に使用してきたカイコの細胞と遺伝子発現ベクターが、内海教授によって高校・中学校向けの教材に見事に転用され、想定外の喜びとなりました。記者発表後、すぐに2件の注文があったそうです。11月28日〜30日に開催された第41回日本分子生物学会年会(パシフィコ横浜)でも、ナショナルバイオリソースのカイコの展示ブースにキットの見本を置いて宣伝させていただきました。 

 

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月刊農学部長 第5号(2018年10月)

 

10月25日 山口ゆめ花博

働き方改革法案の成立により、来年度より5日以上の有給休暇取得が義務化されます。これまで、ほとんど年休を使用してきませんでしたが、もはやそれは許されなくなります。今年も還暦を迎えた誕生日に1日消化しただけです。この日はたまたま会議も授業もないので、来年の予行演習ということで、思い切って年休を取り、もうすぐ終了を迎える山口ゆめ花博(9月14日〜11月4日)にでかけました。平日にもかかわらず、会場は想像以上に賑わっていました。週末は車が大渋滞して混雑すると聞いていましたので、年休を取らなかったらおそらく来ることはなかったでしょう。いろいろな花が植えられた会場をゆっくりと見物し、屋台のホットドッグとコーヒーで昼食を取り、日本一長い木のブランコに揺られ、すっかり満喫してから、いざ帰ろうと駐車場に向かったところ、広い駐車場のどこに自分の車を止めたかわからなくなりました。あやしげな記憶をたよりになんとか探し当てましたが、ちょっとあせりました。この翌日、来場者100万人を達成したそうですが、それはさておき、今年度、私はあと何日年休を取れるでしょうか? 

 

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10月18~19日 全国農学系学部長会議

年に2回開催される全国農学系学部長会議(春は東京、秋は地方で持ち回り)が北海道の函館で開催されました。文科省(高等教育局)と農水省(農林水産技術会議)からの来賓の挨拶があり、それぞれ第4次産業革命、Society5。0など急激な社会の変化に対応できる人材育成と、ロボット・AI・IoT等の先端技術を活用したスマート農業の社会実装に関する話題提供がありました。今後、大学における農学教育・研究も、こうした方向にうまく対応させてゆくことが重要になるでしょう。会議では、18歳人口の減少を見据えた受験生獲得に向けた広報活動や、博士人材活用の場の拡大など、全国の農学系学部が直面するさまざまな課題について、議論を通じて認識を共有あるいは深めることができました。来年の秋は、山口大学農学部と共同獣医学部が合同で、湯田温泉で開催することになりました。会議の最後に、両学部を代表して当番校の挨拶をしましたが、前日の情報交換会(懇親会)で「春は質素に、秋は豪華に」という問題発言?があったので、「皆さんを心よりお迎えしますが、過度な期待はしないで下さい」とけん制球を投げておきました。

 

10月7日 九田川

3連休の二日目、前日は日本海側を通過した台風25号の影響で天気が悪く、強い風が吹いていましたが、今日はおだやかで午後に晴れ間が見えたので、気晴らしに九田川沿いを散歩することにしました。たまたま平川小学校の横を通りかかったところ、川沿いに比較的最近設置された「九田川に棲む小生物」なる看板が目に止まりました。普段は気にせず対岸を車で通り過ぎていましたが、じっくり眺めると小生物24種類のうち19種類が昆虫で、そのうち3種類(ガ、カメムシ、キリギリス)はどうみても間違いです。昆虫学者の端くれとしてちょっと気になりましたが、これほど明らかな間違いであれば、きっと虫好きの子供たちを含め多くの方々がすでに気付いているにちがいありません。もし修正することになったら、ついでにタイトルも「九田川周辺に棲む小生物」にした方がいいなあと思いながら、帰路につきました。

 

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月刊農学部長 第4号(2018年9月)

 

9月21日 中国・四国地区農学系学部長会議

今年は農学部と共同獣医学部が合同で当番校を務め、中国・四国地区12大学の農学系学部の学部長(水産大学校は校長)と事務長等が湯田温泉のセントコア山口に集まって開催されました。今後の中国・四国地区大学間連携として、大学間の学生交流に役立っているフィールド演習の継続・充実、遠隔システムを利用した大学間単位互換授業の課題、受験生獲得に向けた広報の共同実施の可能性などが協議されました。高知大学の尾形学部長が提案したキャッチフレーズ「農学を学ぶなら中四国で!」は、結構いけると思いました。会議後の情報交換会では、今回新メンバーとして加わった岡山東京理科大学獣医学部(加計学園)の吉川学部長からの挨拶があり、出席者の皆さんに山口大学オリジナル日本酒「長州学舎」(大吟醸よりも純米の方が好評でした)を堪能いただきながら交流を深めました。

 

9月3日 徳島県農林水産総合技術支援センター視察

山口県からの依頼で、7月から「農林業の知と技の拠点」形成に係る外部検討委員会の委員長を務めており、山口県の農林業関係の試験場と農業大学校の統合について議論しています。会議終了のたびに報道陣に取り囲まれ、この問題に対する関心の高さに驚きつつ、なれないマスコミ対応に四苦八苦しておりますが、この日は先進事例の視察ということで、委員会のメンバーらとともに、3年前に統合を行った徳島県のセンターを日帰りで訪問しました。統合による教育および研究上のメリットや新たな取組みについて説明いただき、大変参考になりました。帰り際、このセンターの研究員としてスマート農業を担当している卒業生(山本晴彦教授の研究室で博士号を取られた原田陽子さん)にお会いすることもできました。思わぬところで卒業生が活躍しているのを見かけると嬉しくなります。さて、この視察は、もともと8月23日に行う予定でしたが、淡路島の風車を倒した台風20号の接近で延期され、この日も翌日に関西国際空港連絡橋にタンカーが衝突して空港が孤立状態になるなど、近畿地方を中心に大きな被害をもたらした台風21号が接近中でした。なんとか直前に視察を無事終えて山口に帰ることができましたが、どうやら台風の当たり年のようです。

 

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9月1日 三本の矢会

山口大学の理、工、農、3学部の学部長が、年に3回程度、情報交換しながら親睦を深める「三本の矢会」が、新山口駅前のビヤホールで開催されました。今回は、 3学部の事務長も交えた飲み会となりました。この日の話題と3学部長のスリーショットは、理学部長のつぶやきでご覧いただけます。連日の猛暑が一段落して気が緩んだせいか、4日後に人間ドックがあるのを忘れ、ちょっと飲みすぎてしまいましたが、「ちょっと中性脂肪が多め(正常範囲内)ですね。宴会でもあったのですか?」と検診後の保健指導で指摘された以外は、特に問題はありませんでした。健康第一。

 
 
 

月刊農学部長 第3号(2018年8月)

 

8月17日 還暦

今年の干支(えと)は戊戌(ぼじゅつ、つちのえいぬ)、十干(甲、乙、丙、丁、戊、己、庚、辛、壬、癸)と十二支(子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥)のランダムな組合せは10×12=120通りありますが、実際には偶数番同士か奇数番同士の60通り(10と12の最小公倍数)しかできないため、干支は60年周期でもとに戻り、60年前の戊戌に生まれた私にとって還暦の年となりました。中国から伝わった還暦が長寿の祝いとして日本に定着したのは室町時代からのようですが、平均寿命が延び、老齢年金の支給開始が65歳となり、人生100年時代構想が盛んに議論されている日本では、もはや還暦は人生の節目ではなく、後半の単なる通過点になってしまった気がします。私の恩師(故吉武成美先生)は、ちょうど私の大学院修了(博士号取得)と同時期に、60歳で定年退官されましたが、その7年前に私の研究室配属が決まったときには、すでに研究生活から足を洗い、実質的な研究室の運営は助教授と助手に任せ、教授として専ら講義(座学)と専門書の執筆に専念するという、今から考えると優雅な学者生活を送って引退を迎えられたように思います。あれから約30年経って60歳を迎えた私は、自ら研究室の運営と学生の指導を行い、講義は座学だけでなく実験も担当し、外部資金獲得を目指して研究を続け、学部長として学内外の会議に出席し、定年まであと5年あります。世の中とともに大学もずいぶん変わったものだと感慨に耽りつつ、学生たちと一緒に好きな研究を続けられることに幸せを感じながら、家族と還暦の誕生日を祝いました。

 

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8月4日 オープンキャンパス

8月3日 オープンセミナー

山口大学吉田キャンパスで開催された農学部オープンキャンパスには、35℃越えの猛暑にもかかわらず、説明会ならびに模擬授業、模擬実験、農場・植物工場見学などの企画に多くの高校生と保護者の方々がお集まりいただきました。参加者からは農学部の教育研究についてさまざまな質問が寄せられ、対応した農学部スタッフと学生にとってやりがいのある熱い1日となりました。また、その前日には、農学部オープンセミナー「土の中の水を知るー作物生育を左右する土の乾き具合」が開催され、参加した高校生たちが坂口助教の指導を受けながら熱心に実験に取り組んでいました。これらの実体験を通じて、山口大学農学部に興味を持ち、進学を希望される高校生が一人でも多く増えることを期待しています。なお、前号で紹介した遺伝子組み換えカイコの繭は、オープンキャンパスおよびオープンセミナーに参加された多くの方々に見てもらうことができました。

 

 

 

月刊農学部長 第2号(2018年7月)

 

7月30日 草刈り

オープンキャンパスを週末に控え、大学構内を綺麗にして高校生を迎えるために、研究室の学生たち(25日に研究室に配属されたばかりの3年生も参加)とともに夏草の生い茂った桑園の草刈りを行いました。前日は台風12号が東から西へと異例のコースで山口県を横切って行きましたが、風雨ともに大したことはなく、台風一過の炎天下、予定通り作業を終えました。その後でみんなで食べたみずみずしいスイカの味は格別でした。

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7月13日 学生実験

私が担当する農学部の応用昆虫学実験では、昆虫の生理生化学およびバイオテクノロジーの実験を行っています。今年は、初めての試みとして、つくばの農研機構からクラゲ由来の緑色蛍光タンパク質(GFP)遺伝子が組み込まれた遺伝子組換えカイコを取り寄せました。7月6日の実験日にGFPを糸と一緒に吐き出して繭を作るカイコを学生に見せるつもりでしたが、手違いで繭を作る時期が5日ほど遅れてしまいました。「しょうがない、後日学生に集まってもらおう。」と思って実験当日を迎えたところ、大雨警報が発令され休講となり、13日の補講日にGFPで緑に光る繭を無事見せることができました。写真には、その後羽化した成虫も写っていますが、この遺伝子組換えカイコにはGFP遺伝子以外にサンゴ由来の赤色蛍光タンパク質(DsRed)遺伝子も組み込まれているので、DsRed遺伝子を発現する複眼が赤く光ります。この日本で開発された遺伝子組換えカイコ作製技術は、カイコの役割を、衰退する生糸生産から医薬・獣医薬などの付加価値の高い有用タンパク質生産、すなわち「昆虫工場」へと大きく転換するバイオテクノロジーとして注目されています。このカイコの繭は8月4日のオープンキャンパスで農学部のインフォメーションに展示して、農学に興味のある多くの高校生にも見てもらおうと思っています。

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月刊農学部長 創刊号(2018年4〜6月)

 

農学部ホームページ委員会から、「学部長のコーナーを用意するので、定期的に内容を更新して下さい。」という依頼がありました。そこで、「月刊農学部長」というタイトルで毎月いくつかの大学での出来事を、学部長目線で紹介していきたいと思います。今回の創刊号では、4月から6月までの3ヶ月分を時間をさかのぼってまとめてみました。

 

6月15日 薩長同盟酒プロジェクト記者会見

本年は明治維新150周年ということで、山口市、鹿児島市、鹿児島大学農学部などと、地域の食・農・観光分野の振興を目的とした連携の一環として、薩長同盟酒プロジェクトに取り組んでいます。幕末に坂本龍馬の仲介により長州から薩摩に米が運ばれたことに因み、附属農場の荒木准教授と研究室の学生が、鹿児島大学農学部の学生らと一緒に山口県産の酒米「山田錦」を、昨年、鹿児島市内で栽培育成し、収穫した酒米は山口市内の金光酒造で醸造され、日本酒「薩長同盟」が完成しました。その記者会見は、2月22日に鹿児島大学の農学部長をお呼びして山口大学で行いましたが、今回は、鹿児島大学オリジナル焼酎「薩摩熱徒」の完成ならびに「薩摩熱徒」と山口大学オリジナル日本酒「長州学舎」のコラボ酒セットの販売に関する鹿児島大学での記者会見に出席しました。これを機会に、お酒以外の分野に鹿児島大学農学部とのコラボを拡大するのも面白そうです。

 

6月4日 エフエム山口の番組収録

「大人ウォーク〜今宵は山大〜」という番組の収録があり、主に農学部とその魅力についてお話しさせていただきました。特に台本はなく、聞き手の志穂さんからの質問に答えるうちに終わってしまったという感じでした。6月22日の放送を聞いてみたところ、「あの〜」というフレーズが多いのに我ながら驚きました。一般に、「え~と」や「あの~」が多いのは、言葉を探している、練習不足、沈黙を恐れているなどの理由が考えられるそうですが、理由はさておき、せっかくの農学部広報のチャンスだったのでちょっと残念でした(反省)

 

5月6日 蚕(かいこ)の掃立(はきたて)

卵から孵化したばかりの蚕に桑の葉を与えることを掃立といいます。研究室では学生実験用蚕の越冬卵を5月の連休前に冷蔵庫から出庫して、連休後半に孵化した幼虫の掃立を行うのが年中行事になっています。明治維新後の近代日本に富と繁栄をもたらしてくれた蚕たちは、化学繊維の開発と生産コストの高騰により、日本の農業史から消えつつありますが、一方で新たな用途創出のための研究開発が行われていますので、いずれご紹介したいと思っています。

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4月4〜5日 農学部新入生および2年生オリエンテーション

農学部長として3回目の新入生を迎え、充実した大学生活を過ごしてもらいたいという思いで挨拶いたしました。これから大学ではいろいろ新しい出会いや刺激的な体験があるので、きっとほとんど忘れられてしまうことでしょう。そういうわけで、学部2年生オリエンテーションの挨拶でも、同じ内容をもう一度話すことにしました。いったい何人の学生が覚えていてくれたでしょうか?

 

4月2日 研究室のお花見

研究室の学生たちと午前中に桑園の除草を行い、お昼には大学構内の満開の桜の下で弁当を食べながらお花見をしました。昨年より桜のピークが1週間ほど早まり、翌日は満開の桜に祝福された入学式になりました。

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