山口大学農学部 農学部

本学への寄付

「月刊農学部長」第51号(2022年10月)

9月 後期授業形態と山口大学の自慢

来週(10/3)から後期の授業が始まります。全国でも県レベルでも感染者数が減少してきたのですが、山口市内で相変わらず多数の感染者が確認されている現状を鑑み、最初の1週間だけはオンライン主体となりました。テキストの受け渡しや教科書の販売等は実施されますので、山口市内にとどまってオンライン授業を受けるようにしてください。また、課外活動についても最初の1週間は対面での活動が禁止されます。専門家が「冬に第8波が起きる可能性は高い」とコメントしているのを見るとため息が出ますが、今回が最後の規制であると信じて、慎重な行動をとりましょう。

 

山口大学の自慢(その6)~野生動物が身近~ 先月紹介した「山口大学野生哺乳動物図鑑」にあるように、吉田キャンパス周辺は野生動物がとても身近な存在です。そこで、ちょっと不思議な体験談を2つ紹介します。

1)10年ぐらい前、春先の週末に附属農場の周辺をジョギングしていたら、まだ幼い感じの雄キジが後を追いかけてきました。わざわざ寄ってくるので、草の上に座って見ていると、私を中心に半径2mぐらいの円を描いて回り始めました。「遊ぼう」と呼びかけているような感じでとても不思議な体験をしました。ぐるぐる回るキジの背中の羽の光沢と胸の羽の青緑色があまりにもきれいだったので、高校の美術の授業以来35年ぶりに水彩画(風)をタブレットパソコン上に描いてみました。顔や足はほとんど覚えていなくてなんとも稚拙な絵ですが、印象に残った背中と胸の羽については、そこそこ再現できたような気がします。次の週、研究室の学生に興奮気味に話したのですが、誰も信じてくれず、意地になってネットで調べてみると「キジは意外と人懐っこい」とありました。ぐるぐる回る画像を見つけることはできませんでしたが、あっても不思議ではない光景だったようです。

2)5年前ぐらいの土曜日の午後の出来事をもう一つ。姫山沿いの椹野川の中に比較的大きな白サギが細長い脚を半分ぐらい水中に沈めてスッと立って居ました。よく見るとその周りに、大きな赤い鯉と黒い鯉が寄り添うようにゆっくり泳いでいました。ここまではよく目にする風景なのですが、突然白さぎがその鋭い口ばしで黒い鯉をはさみ空中に差し上げました。食べるのかと思いきや、大きすぎて手に余ったのか、数秒間左右に振ってボトンとその場に落としました。「鯉のやつ、命拾いしてよかったな」と思って見ていたのですが、鯉たちは全く逃げようとしないのです。しばらく見ていると今度は赤い鯉をパクっとはさんで高々と空中に差し上げ、さっきと同じようにドボンと水中に投げ出しました。どうもこのサギと鯉たちはこの行動を繰り返しているようでした。両者にとって何かメリットがある行為とは決して思えないのですが、いったい何の意味があるのでしょう。もしかすると、我々が思っているよりずっと異生物間コミュニケーションは存在していて、ただ楽しいだけの両者の遊びだったのかもしれません。 今回紹介したような動物との不思議体験は稀でも、たくさんの野生動物、特にこれまで紹介してきたように多くの鳥類を観察することができます。常時バードウォッチングが楽しめる大学キャンパスは、そんなに多くはないでしょう。個人的には一押しの山口大学の自慢です。

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