山口大学農学部 農学部

本学への寄付

「月刊農学部長」第55号

「月刊農学部長」第55号

1月 不思議な初日の出とがんばれ受験生

 私には初日の出を見に行く習慣はないのですが,20年ぐらい前の教育学部卒業生が「関門海峡の初日の出」の写真を送ってきてくれました。「この初日の出は,下関側(山口)と北九州側(福岡)のどちらから撮ったでしょう?」と質問されたら,日本人の90%以上の人が「太陽は東側から登るから,北九州から下関に向かって撮影した」と答えるのではないでしょうか。実はこれ下関から撮った写真,つまり北九州から日が昇る瞬間なのです。多くの山口県人は理解していると思いますが,関門橋の北九州側は下関側より東側に位置します。よくわからんという人は地図で確認してみてください。私はいまだにこの橋を夕暮れ時に渡ると,あらぬ方向に夕日が沈むので混乱してしまいます。

 コロナとインフルエンザの脅威の中で,今年も受験シーズンを迎えています。大学共通テストの各科目の平均点等も発表され,いよいよ受験する大学を絞り込んでいる時期だと思われます。どの大学を選ぶかよりも何を学びたいかが優先されるべきだとは思いますが,そこは様々な事情が絡みますので,先生や保護者の方としっかりと話し合って納得のいく志願校を決定してください。もし,第一希望の学部・学科に行けなかったとしても,いつか学びたいと心に留めておくと,いつかひょっこりと自分の専門との接点が見つかる場合もあります。研究分野は有機的に絡み合っていますから,目の前にある課題を多方面から検討するうちに,そんなチャンスも訪れるでしょう。ノーベル賞を取った著名な研究者たちでも,学生の頃から一つの目標に向かって突き進んだというケースよりも,目の前の問題をクリアーしていくうちに重要な課題を見出して,最終的に素晴らしい研究成果にたどり着いたというケースの方が多いように思います。IPS細胞でノーベル医学生理学賞を取った山中伸弥先生(京都大学)もそんな一例でしょう。そう考えると,少なくとも「勉強したいこと・研究」に関しては,進路にも少し柔軟性が出てくるのではないでしょうか。がんばれ!!受験生。

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