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大学院創成科学研究科(工学系学域)電気電子系分野の家永紘一郎准教授が、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)「創発的研究支援事業」2025年度新規課題に採択されました
(令和8年5月14日掲載)
大学院創成科学研究科(工学系学域)電気電子系分野の家永紘一郎准教授が、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)「創発的研究支援事業」2025年度新規課題に 採択されました。今回の募集には、全国から2,217件の応募があり、257件の研究課題が採択されました。家永先生はその採択者の1名となります。
本事業は、特定の課題や短期目標を設定せず、多様性と融合によって破壊的イノベーションにつながるシーズの創出を目指す「創発的研究」を推進するため、既存の枠組みにとらわれない自由で挑戦的・融合的な多様な研究を、研究者が研究に専念できる環境を確保しつつ原則7年間(途中ステージゲート審査を挟む、最大10年間)にわたり国が長期的に支援します。
対象となった研究は「ナノ物質の相転移制御による高効率熱電変換の実現」です。物質内に生じた温度差から電圧を生み出す熱電変換は、AI社会やIoT社会を支える省エネルギー技術として重要です。しかし、高効率な熱電材料は室温よりも高い温度域での実用化が中心であり、室温付近では性能が下がる傾向があります。これは、温度が下がるにつれて電子が運べる熱のばらつきが小さくなり、電圧を生み出す能力が弱まるためと考えられています。本研究では、物質中の電子が相転移を起こす前後で顕著に現れる「ゆらぎ」と呼ばれる状態に着目しています。このゆらぎによって電子の状態が不均一になり、従来の理論では説明しきれない大きな熱電効果が生まれる可能性があります。特に、物質をナノスケール(原子10個から100個程度の厚さ)まで薄くすることでゆらぎを強め、熱電効果の向上を狙います。本研究により、室温でも高性能な熱電素子の実現に貢献することが期待されます。
今回の採択について家永准教授は「本課題は、これまで私が取り組んできた研究に、本学着任後に展開してきた研究を融合させたものです。本学での研究環境との出会いが新たな視点を得る契機となり、本研究の着想に至りました。これまでの知見を発展させ、独自の観点から研究を推進してまいります。」と述べています。
本学では今後とも活発な研究活動を推進してまいります。

研究イメージ図

大学院創成科学研究科(工学系学域)電気系分野 家永紘一郎准教授