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大学院創成科学研究科機械工学系専攻の松浦勇翔さんが日本マイクログラビティ応用学会において学生口頭発表最優秀賞を、原田真作さんが毛利ポスターセッション奨励賞を受賞しました

(令和5年12月6日掲載)

 2023年10月25日~27日に那覇市の沖縄産業支援センターで開催された日本マイクログラビティ応用学会第35回学術講演会において、創成科学研究科機械工学系専攻博士前期課程2年の松浦勇翔さんが学生口頭発表最優秀賞を受賞しました。また、同講演会毛利ポスターセッションにおいて、同専攻博士前期課程1年の原田真作さんが奨励賞を受賞し、宇宙飛行士の毛利衛さんから表彰されました。
 松浦さんの発表題目は「単一アンモニア液滴の着火方法調査と微小重力場・高圧雰囲気における燃焼速度定数計測」です。本研究では、高圧雰囲気を用いることで単一のアンモニア液滴を生成し、その燃焼特性を微小重力場で調べました。アンモニアはカーボンニュートラル燃料として期待が寄せられています。アンモニア噴霧燃焼の基礎として、理想化された微小重力場における単一アンモニア液滴の燃焼を世界で初めて実現し、燃焼速度定数の計測に成功しました。また、燃焼後期に特異燃焼挙動を示す新たな知見も見出しました。本研究成果は今後、アンモニア噴霧燃焼の詳細機構解明に繋がることが期待されます。
 原田さんの発表題目は「微小重力場における冷炎を考慮した液滴列の燃え広がり形態に関する研究」です。この研究は、燃料噴霧中の燃え広がりの基礎としての燃料液滴列の燃え広がりについて、従来着目してきた1100K以上の熱炎に加えて目に見えない800K以下の冷炎にも着目することで、燃え広がり形態を定義しなおす研究です。2017年に国際宇宙ステーションで行われた宇宙実験において、液滴群燃焼においても冷炎が発生することが示唆されたことを受け、より単純な系で燃え広がりにおける冷炎の役割を詳細に調べました。本研究成果は、現在計画している次の宇宙燃焼実験のための基礎となることが期待されます。
 受賞に対して松浦さんは、「口頭発表での学会発表は初めてでしたが、このような賞を頂き大変嬉しく思います。この賞が頂けたのは、三上先生や坂野先生、研究室の皆様に指導していただいたおかげであり、心より感謝申し上げます。今後もアンモニア燃焼による脱炭素社会の実現に向け、精進してまいります」、原田さんは「このような賞を頂き大変嬉しく思っております。私自身、噴霧燃焼を利用したディーゼルエンジンやガスタービンエンジンにとても興味があり、それに関連する研究をさせていただけることを誇りに思っています。今回の研究成果につきましては、指導してくださった三上先生、坂野先生と研究室の皆様のサポートのおかげです。感謝の気持ちをもって、この分野のさらなる発展のために今後も努力していきたいと思います」とそれぞれ喜びの言葉を述べています。


  • 受賞者の松浦勇翔さん
  • 受賞者の原田真作さん(右)と毛利衛宇宙飛行士(左)
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