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大学院創成科学研究科博士前期課程機械工学系専攻2年の陳 碧深さんと同1年の矢野 伶さんがThe 12th Joint Conference on Renewable Energy and Nanotechnology (JCREN 2023)においてBest presentation awardを受賞しました

(令和6年1月12日掲載)

 2023年12月12日にバンコクで開催されたThe 12th Joint Conference on Renewable Energy and Nanotechnology (JCREN 2023)において、大学院創成科学研究科博士前期課程機械工学系専攻2年(機械エネルギー制御工学研究室)の陳 碧深さんと同1年(カーボンニュートラル燃料工学研究室)の矢野 伶さんがBest presentation awardを受賞しました。

 陳さんが受賞した発表は、「Study on fusion and adhesion behavior of biomass combustion ash」(著者:陳 碧深、三美和也、田之上健一郎、小中原 亨、横田守久)です。本研究は、バイオマス資源を燃焼させて生成したフライアッシュの熱交換器への付着について、加熱ステージ付き顕微鏡による灰融点測定、熱天秤を用いた質量変化測定、ドロップチューブを用いた灰粒子の落下による熱交換部への灰付着量測定をもとに調査を行い、電気炉の加熱温度および燃焼灰の種類を変化させることにより、灰付着挙動の変化を論じました。この原因を究明することは、単に灰付着を理解するにとどまらず、健全なバイオマスボイラーの設計法を提案する上で重要な鍵となります。
 受賞に対して陳さんは、「今後もこの研究を進め、フライアッシュ付着のメカニズムの解明に貢献し、健全なバイオマス発電のさらなる普及の手助けをできればと思います」と喜びの言葉を述べています。

 矢野さんが受賞した発表は、「Effect of Machined Stainless-steel Surface Composition on its Diamond Coating」(著者:矢野 伶、白石僚也、原田恭之介、水村岳伸、豊田洋通、後藤英和)です。本研究では、「ステンレス鋼にドリルで規則的な溝のパターンをつくると、従来では不可能とされていたステンレス鋼へのダイヤモンド蒸着が可能になる現象」のメカニズムを解明することを目的に、ドリル加工前後の鋼の表面組成・形態を観察しました。その結果、加工前後で組成に変化はなく、表面粗さの変化がダイヤモンド蒸着する可能性が示されました。また、ダイヤモンドは溝と溝の間の非加工面にも蒸着されますが、非加工面における成長過程が「周囲の溝からダイヤモンドが成長して非加工面を覆う」のではなく、「非加工面に形成された核がその場で成長する」形であることがわかりました。本研究の成果は、より高性能かつ安価なダイヤモンド工具の開発に繋がる可能性があるとして期待されています。
 受賞に対して矢野さんは、「今後もこの研究を進め、 鋼表面へのダイヤモンド蒸着のメカニズムを解明し、実用化に繋げたい」と今後の抱負を述べています。

 陳さんと矢野さんのますますの活躍を期待するとともに、本学は今後も学生の研究活動の支援に努めてまいります。


受賞した陳 碧深さん


受賞した矢野 伶さん

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