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大学院創成科学研究科化学系専攻の大渕幸輝さんと福原広祥さんが第61回化学関連支部合同九州大会のポスター発表において優秀研究発表賞を受賞しました

(令和6年7月22日掲載)

 大学院創成科学研究科(工学系)博士前期課程化学系専攻2年の大渕幸輝さんと福原広祥さん(共に中山・吉田航研究室)が、令和6629日に北九州国際会議場で開催された「第61回化学関連支部合同九州大会」ポスター発表において優秀研究発表賞を受賞しました。

 大渕さんが受賞した発表は、「亜鉛負極電池における正極反応としての二酸化マンガン析出/溶解メカニズムおよび鉄添加効果の解明」です。この電池システムは水溶液中で動作するので安全であり、かつ電極材料の亜鉛とマンガンは資源リスクが無いという利点があります。本研究では水系電解液に酢酸バッファーと鉄()イオンを添加することで、高エネルギー密度での可逆な2電子移動充放電に成功しました。さらに、充放電過程を電気化学水晶振動子マイクロバランス法により追跡することで、酢酸バッファーと鉄()イオンの役割を解明しました。なお、この成果は国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業により得られたものです。
 今回の受賞について大渕さんは、「この度はこのような素晴らしい賞を頂戴し、大変嬉しく思います。発表の際には様々な分野の方々からご質問やアドバイスを頂き、とても有意義な時間になりました」と述べています。

 福原さんが受賞した発表は、「積層二酸化マンガン層間の金属銅を使った硝酸塩からのアンモニア生成プロセスの開発」です。硝酸塩は人類の生産活動によって発生し、その蓄積はグローバル窒素サイクルに深刻な混乱をもたらしています。一方、現在のアンモニア製造は莫大なエネルギー消費とCO2排出を伴います。クリーン燃料および水素キャリアとして期待されるアンモニアの需要が今後大幅に増大することを考えると、カーボンニュートラルと窒素サイクルの正常化を同時に達成するために、廃硝酸からアンモニアを生産する技術が強く望まれます。本研究では、二酸化マンガンナノシート間に閉じ込めた銅イオンを触媒として用いることによって、高い選択性で硝酸塩がアンモニアに変換されることを見出しました。
 今回の受賞について福原さんは、「この度はこのような素晴らしい賞を頂き大変光栄に思います。今回の受賞を励みによりいっそう研究活動に勤しみたいと思います」と述べています。

 大渕さんと福原さんのますますの活躍を期待するとともに、本学は今後も学生の研究活動の支援に努めてまいります。


受賞した大渕幸輝さん

 

受賞した福原広祥さん

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