研修内容
■ プログラム内容山口大学には、One Welfare国際研究センターが設置されており、ワンウェルフェアの主体となる人獣共通感染症や法獣医学、動物介在活動、国際協力、データサイエンス等の教育、研究を実践している国内でも有数の充実した環境にある。ワンウェルフェアのカバーする分野は、獣医学、医学、工学、人文学、経済学等の多岐に渡る。そこで、現在、特に獣医学部学部生及び獣医学研究科大学院生を対象に、学生が講義や実習、研究活動、国際交流等を通して主体的、積極的にワンウェルフェアを学べる「ワンウェルフェア国際展開コース」の設置準備を進めており、本プログラムはその骨子となる。
ワンウェルフェアで挙げられる課題として、特に、アフリカ特有の感染症や文化、食料危機、経済状況、環境問題等は、アフリカにおける典型的なもので、グローバルな課題ともなるため、日本の学生にとって、これらの課題に関連した内容をアフリカ現地で直接学ぶことの意義は大きい。
本プログラムのカウンターパートとなるナイロビ大学は総合大学であり、ワンウェルフェアに関連する分野の教員が多数在籍している。そこで本プログラムでは、本学の有するケニアとの国際連携、ワンウェルフェア国際研究センターの強みを活かし、「ワンウェルフェア国際展開コース」を設定し、特に獣医学部・獣医学研究科の学生を対象に、渡航による現地実習(現場視察、研究機関や企業による研修等)と学生間交流を主体に、講義(オンライン、ワークショップ)を含め、国際感覚を身に着けたワンウェルフェアの実践に資する学生の育成を推進する。
【プログラム概念図】

派遣学生は2026年8-9月に渡航前の事前学習として、日本(山口大学及び協力機関)とケニア(ナイロビ大学及び協力機関)の教員、研究者、職員によるオンデマンド講義「獣医国際感染症学」、「熱帯獣医学I」を受講し、専門知識を習得する。また、8月6、7日に実施する国際展開科目「アフリカをとおして世界を学ぶ」を受講し、アフリカにおける幅広い知識を習得する。
9月にケニアを訪問し、主としてナイロビ大学獣医学部における実習(現地学生と共に行うローテーション臨床実習、公衆衛生学実習、微生物検査等)を受ける。また、獣医関連施設として、ケニア動物遺伝資源センター(Kenya Animal Genetics Resources Centre, KAGRC)や国際家畜研究所(International Livestock Research Institute, ILRI)、国立獣医リファレンス研究所(National Veterinary Reference Laboratories, NVRL)、ナイロビ国立公園、ジラフセンター、霊長類研究センター、動物孤児院等の訪問、施設見学を行い、野生動物の実態やアフリカの環境下で進化した生態系などを包括的に学んでいく。加えて、獣医学分野以外にも、ナイロビ大学の他学部(人文社会科学部、医学部等)、ケニア中央医学研究所(KEMRI)、長崎大学熱帯医学研究所ケニア拠点(NUITM)、ナイロビ国立博物館、マサイマラ国立保護区等の訪問、施設見学により、ワンウェルフェアに関連した多岐の分野(人の感染症、文化、歴史、経済、言語、政治、国際協力等)に渡るアフリカにおける状況と課題について学ぶ。
また、国際協力機構(JICA)ケニア事務所を訪問し、ケニアにおける日本の開発援助の現状、獣医学・公衆衛生分野での具体的なプロジェクト内容、および国際協力の実務に関するブリーフィングを受ける。これにより、学生は専門的な技術習得のみならず、将来のキャリアパスとして国際協力の道筋を具体的にイメージし、地球規模課題の解決に寄与する意欲を高めることが可能となる。
帰国後の11月から12月にかけて、オンラインと対面での成果報告会を開催し、現地で得た知見や課題解決に向けた提案を全学に共有する。
プログラムの実施にあたっては、学長を委員長とする「事業推進委員会」にて事業推進を図るほか、国際連携担当副学長を事業責任者として各種全学会議への報告を実施することで、国際戦略を直接反映できる体制とする。
また、プログラム総括責任者のもと、日本・ケニア双方の教員で構成される「プログラム運営委員会」を設置し、プログラムの運営、質保証を統括する。実務面では、本学学生支援部国際交流課および共同獣医学部事務が協働し、学生への渡航前指導から現地での活動支援、帰国後のフォローアップまでをきめ細かくサポートする体制を構築し、円滑にプログラムを遂行するための実務を支える。
