神経疾患の治療効果を可視化する「示指運動定量評価システム」の開発プロジェクトが「令和8年度やまぐち産業イノベーション加速化補助金[アドバンス]」に採択
―神経・筋難病治療学講座(細胞デザイン医科学研究所)の竹下教授と株式会社宇部情報システム及び大学発ベンチャー「株式会社ADDVEMO」による産学公連携の医療機器開発―
国立大学法人山口大学(所在地:山口県山口市、学長:谷澤 幸生、以下「山口大学」)は、株式会社宇部情報システム(代表申請者)及び山口大学発ベンチャーである株式会社ADDVEMOと共に提案した研究開発課題「神経疾患の治療効果を可視化する微弱筋力・示指運動定量評価システムの開発」が、山口県「令和8年度やまぐち産業イノベーション加速化補助金[アドバンス](医療関連分野)」に採択されましたのでお知らせします。
本プロジェクトには、山口大学医学部神経・筋難病治療学講座 教授(細胞デザイン医科学研究所 所員)であり、株式会社ADDVEMOにおいて事業展開にも尽力する竹下幸男らが参画し、地域企業の強みと大学発の革新的技術を融合させた医療機器の社会実装を目指します。
発表のポイント
- 山口県「令和8年度やまぐち産業イノベーション加速化補助金[アドバンス](医療関連分野)」に採択:県内企業(株式会社宇部情報システム)を代表に、大学発ベンチャー(株式会社ADDVEMO)、山口大学が連携した高度な医療機器開発プロジェクトが始動します。
- 山口大学 竹下教授の研究成果を実用化:山口大学教授であり、株式会社ADDVEMOの事業開発に尽力する竹下幸男らが開発した「示指(人差し指)装着型微弱筋力・運動評価技術」の社会実装を推進します。
- 従来の徒手筋力テスト(MMT)の限界を克服:圧力センサと6軸加速度センサを統合した小型デバイスにより、従来のMMTでは捉えにくかった神経障害患者の微小な筋力・可動域変化を客観的かつ連続的に数値化し、高額な病態修飾型治療薬などの効果判定を高度化します。
- 地域完結型の医療機器開発モデル:製品設計・製造(株式会社YOODS)、薬事対応(EMTEC Lab. LLC)、知財管理(株式会社ADDVEMO)、臨床評価(山口大学)、製造販売(株式会社宇部情報システム)、プロジェクト進捗管理、事業開発支援(山口県産業技術センター)、スタートアップ創業・事業化支援(宇部市)という山口県内完結型の推進体制を構築し、Class II 医療機器承認と保険収載を目指します。
本研究開発の背景と目的
神経難病や末梢神経障害(慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)、血管炎性ニューロパチー等)の診療において、患者の筋力回復や治療効果の判定には、従来より医師による徒手筋力テスト(MMT)が広く用いられてきました。しかし、MMTは医師の感覚に依存する段階評価(0〜5段階)であり、同一グレード内でのわずかな回復や悪化を定量的に捉えることが困難であるという課題がありました。
山口大学の竹下教授らは、運動機能の変化が最も鋭敏に表れやすい「示指(人差し指)」に着目し、微弱な力や可動域の変化を高感度に測定・解析する原理を確立しました。近年急速に普及している高価な神経疾患治療薬において、効果判定の客観化・定量化は切実な医療ニーズとなっています。本事業では、この大学発シーズを医療現場で継続利用可能な製品仕様へと引き上げ、医療機器としての承認取得および保険収載に向けたエビデンス構築を行います。
実施内容と研究開発体制
本プロジェクトは、2026年度から2027年度までの2年間の計画で実施されます。
- 装置・解析プログラムの高度化(製品化仕様への移行):圧力センサと6軸加速度センサを組み合わせた示指装着型デバイスおよび補助具の構造を再設計し、誰でも容易かつ再現性高く測定できる製品仕様へ高度化します。また、測定結果の自動記録や時系列比較が可能な解析プログラムを実装します。
- 臨床評価と運用要件の整理:山口大学医学部附属病院等の臨床現場において、神経疾患患者を対象とした運用検証およびデータ集積を行い、治療効果判定における客観的指標(DMT: Digital Muscle Test)としての有効性を検証します。
- 山口県完結型の事業化・薬事・知財体制:株式会社ADDVEMOが知財管理やデータ解析を担い、県内企業の株式会社YOODSが製造、EMTEC Lab. LLCが薬事承認(PMDA対応)を支援、株式会社宇部情報システムが製造販売主体として全体を統括します。研究成果を地域内で迅速に製品化・事業化する「地域完結型医療機器エコシステム」を確立します。
本事業に関するコメント
竹下 幸男(山口大学医学部神経・筋難病治療学講座 教授(細胞デザイン医科学研究所 所員)/株式会社ADDVEMO 共同代表)のコメント
私たちが取り組んできた示指運動の定量評価技術が、山口県のイノベーション加速化補助金[アドバンス]に採択されたことを非常に嬉しく思います。従来の評価法では見過ごされがちであった患者さんの微細な回復のサインを可視化することは、適切な治療の継続や最適化に大きく貢献します。また、本技術の研究成果を単なる学術発表にとどめず、山口大学発ベンチャーである株式会社ADDVEMOでの活動を通じて、地域の優良なパートナー企業様とともに医療機器という形で社会へ還元できる体制が整ったことは大きな意義があります。
患者さんと医療現場に1日も早く、確かな評価システムをお届けできるよう、全力を尽くしてまいりたいと思います。
事業概要
- 事業の名称:神経疾患の治療効果を可視化する微弱筋力・示指運動定量評価システムの開発
- 補助金名称:令和8年度 やまぐち産業イノベーション加速化補助金[アドバンス](医療関連分野)、宇部市イノベーション推進補助金
- 研究開発グループ:
<代表申請者>・株式会社宇部情報システム(事業総括、ハード・ソフト開発、製造販売予定)<構成員>・株式会社ADDVEMO(山口大学発ベンチャー:臨床評価、解析手法研究、知財管理)・国立大学法人山口大学(臨床的妥当性・運用条件の検討および助言)<連携企業>・株式会社YOODS(県内医療機器製造)・EMTEC Lab. LLC(薬事対応支援)
- 事業期間:2026年度~2027年度(2年間)
本件に関するお問い合わせ先
- 山口大学医学部 神経・筋難病治療学講座
(細胞デザイン医科学研究所 先進細胞治療研究部門)
教授 竹下 幸男
〒755-8505 山口県宇部市南小串1-1-1
E-mail:takeshy@(アドレス@以下→yamaguchi-u.ac.jp) - 株式会社宇部情報システム 新規ビジネス推進部
部長 町田 圭吾
〒755-8622 山口県宇部市相生町8番1号 宇部ゲートタワー
電話:0836-22-0111
Email:keigo.machida@(アドレス@以下→uis-inf.co.jp) - 株式会社ADDVEMO
共同CEO 田島 明
〒755-0043 山口県宇部市相生町5-10
E-mail:info@(アドレス@以下→addvemo.jp)
- 山口大学医学部総務課広報・国際係
〒755-8505 山口県宇部市南小串1-1-1
電話:0836-22-2009
E-mail:me268@(アドレス@以下→yamaguchi-u.ac.jp)

