山口大学教育学部 教育学部
教育学研究科

本学部への寄付

経済産業省令和5年度補正「ライフステージを支えるサービス導入実証等事業」(キャリア形成に資するサービス導入環境の構築実証)に採択

国立大学法人山口大学(所在地:山口県山口市、学長:谷澤 幸生)は、経済産業省令和5年度補正「ライフステージを支えるサービス導入実証等事業」(キャリア形成に資するサービス導入環境の構築実証)に採択されました。
参加団体のパーソルキャリア株式会社(所在地:東京都千代田区、代表取締役:瀬野尾 裕)と協働し、小~中学生を対象としたローカル型キャリア教育プログラムの開発と、キャリア教育効果の測定指標開発及び地域差検証を行います。


■経済産業省「ライフステージを支えるサービス導入実証等事業」の概要
本事業では、個人のキャリア形成をはじめとする自己決定に、各ライフステージに関する客観的知識等の学びによって気付きを与えるサービスが社会実装されることに向けた導入実証が行われ、利用者の自己決定サポートのサービスに留まらない、社会課題解決型ビジネスモデルの創出とその周知・普及に向けた取組が実施されます。
【事務局:株式会社日本総合研究所HP】https://www.jri.co.jp/page.jsp?id=107466
山口大学では、パーソルキャリア株式会社と「地域キャリア教育研究推進コンソーシアム」を形成し、「地域愛着の醸成と、自己決定の大切さや地域に関わる多様な暮らし方・働き方(ライフデザイン)を学ぶ、子ども向けキャリア教育プログラムの開発と社会実装プロジェクト」を提案し、同事業に採択されました。

■プロジェクトの目的・目指す未来像
本事業における取組は、次の目的の実現を目指して行われるものです。

①キャリア教育を通した子どものウェルビーイングの向上
すべての子ども達が、育つ地域や都市規模による格差なく、将来「はたらくこと」に対する希望や期待を持てること、また自己決定の重要性を理解・習慣化できるようになることを目指します。

②地域の関係人口を「はたらき方」として将来的に創出すること
地方で生まれ育った若者を、将来のビジョンと現実的な職業的受け皿とのギャップに葛藤し、「地元でできる仕事をするか、やりたいことのために都会に出ていくか」という二元論の中でライフデザインをせざるを得ない状況から解放することを目指し、テレワーク、二拠点生活、UIJターン、副業/兼業等のはたらき方を含めたライフデザイン選択肢に気付きを与えます。

■本プロジェクトにおける実証内容
上記目的に対応する形で、本事業では大きく分けて次の2つの取組を行います。

①キャリア教育の効果測定指標開発と地域差検証【準備実証】
 ひとつ目の実証では、多様な専門分野の研究者(山口大学)と、人材開発の専門家(パーソルキャリア)の共同検討に基づき、従来から測定が難しいとされるキャリア教育の効果指標を共同開発し ます。また、この指標を試験的に用い、特に中山間地域、地方都市、首都圏の地域差とその要因に注目してパーソルキャリアが開発するキャリア教育プログラム(“はたらく”を考えるワークショップ)の実施・効果検証を行います。

②中山間地域の地域性を反映したローカル型キャリア教育プログラムの開発と効果検証【メイン実証】
 ふたつ目の実証では、①での地域差検証の結果や地域特有の資源(地域性、特産品、人材等)を活用し、地域愛着を高め、地域に関わる多様なライフデザイン選択肢を示すローカル版キャリアプログラムの開発・実施・効果検証を行います。

 

            

 

          

 

■本プロジェクトの特徴
本実証では産、官、学の多様なステークホルダーの協働体制をもって、社会実装のハードルとなる制約条件を突破することを実現しています。また、全国の中山間地域に共通する課題や公的制度の活用をふまえたプログラム設計により、未来での横展開性を担保していることも強みです。

■代表研究者コメント
本実証では企業・自治体・大学の協働によって、中山間地域の子どもに対して地域の特色を反映した新たなキャリア教育の機会提供を実現し、地域の将来的な関係人口創出、地方創生に貢献することを目指します。
「教育」に関する専門的な研究能力をもつ山口大学教育学部の研究者を軸として、キャリア教育プログラム「“はたらく”を考えるワークショップ」を開発し、日本全国の小学校・中学校への提供を実現してきた卓越したノウハウと実績をもつパーソルキャリア株式会社のキャリア教育推進グループとパートナーを組み、本実証を推進します。
(代表研究者:山口大学教育学部講師・原田拓馬)

■協力機関(パーソルキャリア株式会社)について
パーソルキャリア株式会社は、-人々に「はたらく」を自分のものにする力を-をミッションとし、転職サービス「doda」やハイクラス転職サービス「doda X」を通じて人材紹介、求人広告、新卒採用支援などを提供しています。2022年5月にはプロフェッショナル人材の総合活用支援ブランド「HiPro」を立ち上げ、副業・フリーランス領域にも本格参入。グループの総力をあげて、これまで以上に個人の「はたらく」にフォーカスした社会価値の創出に努め、社会課題に正面から向き合い、すべての「はたらく」が笑顔につながる社会の実現を目指します。
同社と本学では、2024年5月28日付で教育学部を主軸にした初の産学連携目的での組織間協定を締結し、人口流出課題を抱える中山間地域に暮らす子どもたちの「地域への愛着(シビックプライド)」を育むと共に、将来も地域と継続的に関わっていく多様なキャリアやライフデザイン(はたらき方、暮らし方、生き方など)の選択肢を知り、将来に向けた主体的な行動の習慣化を促す、「地域の特色を反映可能なローカル型キャリア教育プログラム」の研究開発を進めています。

<パーソルキャリア株式会社 Webサイト>
https://www.persol-career.co.jp/
<パーソルキャリア株式会社と国立大学法人山口大学が中山間地域における良質なキャリア教育の機会保障に向けた連携協定書を締結>
https://www.yamaguchi-u.ac.jp/weekly/32604/index.html

■実証フィールド(山口県美祢市)について
美祢市は山口県西部のほぼ中央に位置しており、日本最大級のカルスト台地「秋吉台」、日本屈指の大鍾乳洞「秋芳洞」を有し、市内全体が「Mine秋吉台ジオパーク」として日本ジオパークに認定されています。人口は約21000人で減少傾向が続いており、少子高齢化や学校の統廃合が進行している中、循環型の人材育成をめざし、地域連携を基盤として、小中一貫教育の推進や公設塾の設置など、魅力ある教育環境づくりに取り組んでいます。

■国立大学法人山口大学について
山口大学は、9学部8研究科からなる学生数1万人を超える総合大学です。1815年に長州藩士・上田鳳陽により創設された山口講堂を起源とし、「発見し・はぐくみ・かたちにする 知の広場」を理念に掲げ、開学以来すでに12万人以上の卒業生が全国各地、世界各国の幅広い分野で活躍しています。2023年に「明日の山口大学ビジョン2030」を策定し、<知の創造としなやかな人材の育成により地域に・世界に貢献する山口大学>を中心的目標として定めました。この目標の実現に向けて、地域に根ざし、人材を育成し、知を世界に発信します。

■問い合わせ先
山口大学「地域のイノベーションシステムを起点とした教育開発研究推進体」
代表 原田 拓馬(教育学部・講師)
E-mail:tharada@(アドレス@以下→yamaguchi-u.ac.jp )
TEL:083-933-5442

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