国立大学法人 山口大学

本学への寄付

研究論叢 第72巻の発行と注目論文の紹介

2023131日 山口大学教育学部研究論叢 第72巻を発行しました。全部で38編の論文を掲載しています。いずれも山口大学教育学部の教員と学生・大学院生らを中心として、これまで取り組んできた研究をまとめたものです。その中から特に注目する論文3編を紹介します。

心理学教室より、山内らの「部屋の用途や構造が座席選択行動に与える影響:場面の種類と出入口の位置に着目して」では、部屋の用途(教室・自習室・新幹線)ごとに部屋の構造(教卓の有無、出入口の場所)と選択者のパーソナリティーとの関係を探るweb調査を行いました。教室などで自由に席を選べるとき、前の方・後ろの方の席がよいとか、窓際がいいとか、席の好みがありませんか?席の好みと人の性格とは関係があるのでしょうか?そんな疑問を探ろうとする興味深い研究です。

教職大学院より、佐々木の「学校経営から見たエピデミック、パンデミック対応と戦略としてのホームスクール事業 : 米国のカルバート・スクールとV.M.ヒルヤーを中心に」では、カルバート・スクールのホームスクール事業の成り立ちを文献研究により明らかにし、考察しました。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により、学校や大学に通っている人も自宅学習を経験されたことと思います。カルバート・スクールのホームスクール事業の始まりと共通する時代背景があり、示唆に富むとても興味深い研究です。

家政教育教室より、森永らの「山口県の郷土料理『いとこ煮』の地域別の特徴:材料、だしおよび調味料に着目して」では「いとこ煮」の材料やだし・調味料を調査し、県内でも地域によって違いがあることを明らかにした研究です。「いとこ煮」と言われても食べたことがない人も多いと思いますが、これを参考に作ってみてはいかがでしょうか。なお、家政教育教室では、山口県の特産品を用いた料理や郷土料理について継続的な調査・研究を行い、附属学校で家庭科の授業実践に生かしています。

その他にも、特別支援教育に関するもの4編、山口県を直接の研究対象としたもの4編、山口大学国際総合科学部からの投稿論文4編、など地域や学校・教育に関する様々な研究の成果を掲載しています。是非ともご覧いただき、質問や新しいアイディアがありましたら著者に投げかけてみてください。

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