2015年7月6日
私の研究室では、無線コンピュータネットワーク構築の研究もやっています。今年度は山口市の受託研究として、観光地への無線LANスポットの設置に取り組んでいます。一般の通信業者では設置に大きな費用がかかりますが、低コストで十分な性能のサービスを提供できる無線LANシステムを構築することが目標です。
6月15日に山口市の主要観光スポットで、五重塔のある香山公園で電波到達範囲を確認する実験を行いました。山口市役所の職員の方の立会いのもと、公園の端にあるトイレの上にマストを立て、その先端に取り付けたカメラの向きを変えながら、公園内を撮影します。段々マストを下げてこれを繰り返し、写真を見て公園内をカバーするのに十分なアンテナ高を決めます。このデータを基に、次回は無線LAN装置を付けて伝搬実験です。
7月3日には別の装置を使った実験を大学のグランドで行いました。この装置は無線LAN装置と合せて使うもので、これらの2つの装置を組み合わせれば、目標の低コストで性能のよいネットワークを作ることができます。今回はそのための基礎データを取りました。12メートルのマストを立て、学内2箇所に設置した相手局との伝送速度を計測し、なかなかよいデータが取れたようです。次は通信のためのソフトウエア開発です。
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6月15日に香山公園で。トイレの屋上にマストを立てるための作業をしています。 | マスト高を変える度に、撮った写真をチェックして、見通し範囲を確認します。 | 7月3日大学のグランドで、マスト立て前の準備作業。マストの先端に無線装置を付け、高さを変えながらデータを取ります。 | 全長は12mのマストを、息を合わせてバランスを取りながら、ロープを引いて建てます。なかなか壮観です。 |