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2015年4月6日

4月になりました。お花見のシーズンです。私の研究室では4月3日が花見の予定だったのですが、あいにくの荒天で4月10日に延期になってしまいました。もう桜の花は散ってしまっているでしょうが、まあ、花より団子という言葉もありますから、せいぜい宴会を楽しもうと思います。
3月21日のつぶやきで、桜のつぼみの写真を載せました。4月4日にその場所に行ってみましたが、もう花の多くは散っていて、葉が出ていました。満開の花を見たかったので、少し残念です。

前に研究会で一緒になった他大学の先生から、「今年はお花見に行かれますか?」というメールが来ました。花見のついでに、花びら表面を綿棒で拭ったサンプルを取ってもらえないか、という依頼でした。
ソメイヨシノは種子で増えることはなく、接ぎ木によってしか数は増えません。つまり、ソメイヨシノはどれも同じDNAを持っています。これを生物学ではクローンといいます。花びら表面には色んな種類の細菌がいますが、環境が違えば、そこにいる細菌も違うものが棲息していると考えられます。例えば、青森と山口では気温差による細菌の違いが見えるのでは、というわけです。ソメイヨシノはクローンですから、細菌の違いは環境の違いを表しています。

4月3日にサンプルを取る予定でしたが、研究室の学生が気を利かせて天気予報を調べてくれ、この日は雨のようなので、私がドイツ出張中の3月31日に採取してくれました。全国から集められたサンプルは、最新の装置である次世代シークエンサーで解析され、クローン生物が置かれた環境の違いによる細菌の種類の違いが明らかにされるようです。果たして山口の桜にはどのような特徴があるのでしょうか。

 

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