2019年2月19日
私は通常は2.5 kmの道のりを徒歩通勤しております。所要時間ちょうど30分です。理由は、健康のためもありますが、最近は老後も考え、なるべく自家用車を使わない生活に慣れることもあります。(いつまでもおいしくお酒を飲んでいたいですし。)もう一つ大切な理由があります。それは、日頃物事をゆっくりと考える時間を取れなくなったため、少しでもその時間を確保するためです。歩いているときは頭が空いているので、いろいろなことを考えます。30分はちょうどよい時間です。(たまに何か閃いて「あっ、そうか!」と口に出してしまいます。自転車で追い抜いていく高校生には怪しい奴だと思われているかもしれません。)
先日、徒歩通勤の途中であることに気が付きました。私たちヒトは歩くときには、手を振ります。そのとき足を交互に出すのと同じ周期(振動数)で手を動かします。自然に手を振ると、左右の足の出し方とは逆になります(逆位相)。つまり、右足が前に出るとき右手は後ろになります。(意識するとどうしても同じ側の手足が前に出る人がたまにおられますね。なんとなく不自然に見えます。)
私は、通勤時はたいてい片方の手に荷物の入った鞄を下げて歩きます。ある程度の重量がある鞄です。そのようなちきは、なんと鞄を持っている方の手は、足の動きの周期の2倍(振動数でいえば半分)で振るのが最も歩きやすいのです。手を1回振る間に足が2往復します。いわゆる1/2のモードです。速く歩けば歩くほどその間隔は顕著になります。理由を力学的に考えてみました。なんとなくはわかるのですが、ニュートンの運動方程式を解いてすっきりと説明するまではしておりません。どなたかチャレンジしませんか。
バイオメカニクスを専門とし、その中でも動物の歩行を専門にしているN教授(私ではありません)が山口大学理学部におります。その教授に先日、この話をしてみました。とても興味を持っていただけましたので、おそらくそのうちに卒業研究等のテーマになるのではと思います。
いろいろなところに研究のネタは落ちているし、それが将来何らかのイノベーションにつながる可能性もあります。たまには頭を使って物事を深く考えてみるのもよいですね。