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2019年1月29日

 山口大学の前身は旧制山口高等学校(旧制山高)です。その旧制山高は今年、創立100周年を迎えます。山口大学創立のとき、当時の文理学部(現在は人文学部と理学部に分離)は旧制山高の流れを引いております。

 現在、山口大学理学部では旧制山高100周年を記念し、学部内の資料展示室で旧制山高関連の貴重な物品や写真を展示しています。その中に当時の旗や応援団の衣装のようなものがあります。当時は旧制松山高校(現在の愛媛大学)と野球の定期戦を毎年開催していたようです。そのときの貴重な写真も展示しています。さらには学生寮のお祭りや酒盛りの画像もあります。当時の山口の商店街を旧制山高の学生たちは大騒ぎして歩いていたようです。表立って苦情をいう市民もなく、市民の皆様は旧制山高の学生たちをあたたかく見守ってくれたようです。(旧制山高の卒業生は卒業後には東京大学や京都大学に進学するものも多く、いわゆるエリートたちでした。将来を期待して大目に見ていただいていたのでしょう。)

 私は旧制山高と旧制松高の定期戦があったことを20年前くらいに「ダウンタウンヒーローズ」という映画で知りました。薬師丸ひろ子さんが出演されていたと思います。その映画で旧制山高の学生たちが船で松山に渡り士気高揚のまま上陸するシーンがあります。私は出身校に対する「愛校心」が強いので、いい雰囲気だなと感じました。最近、旧制山高の応援旗を別の映画で見ました。吉永小百合さんと「嵐」の二宮和也さんが母子役を演じた「母と暮らせば」です。長崎の医学生であった主人公の二宮さんが旧制山高を卒業したという設定であり、当時を回顧するシーンで旧制山高の学園祭で余興をするシーンや寮歌を歌うシーンがあります。そのとき二宮さんが扮する主人公が身に付けた学生帽が本学図書館に保存されているそうです。この二つの映画の監督はあの「男はつらいよ」の山田洋次さんです。山田洋次さんは旧制山高の最後の学生だったようです。そのため映画で旧制山高が使われているのでしょう。理学部の資料室は平日の日中は自由にご覧いただけます。

 松山と山口、今でこそ松山市は四国で最も人口の多い都市であり、一方、山口市は県庁所在地ではありますが県内にいくつもある中小都市の一つで、その様相は違います。しかし、なんとなく似た雰囲気があります。県政の中心地であるのはもちろんですが、両方ともに教育、学問や芸術・文化を大切にする都市です。旧制の松山中学(現 松山東高校,夏目漱石の「坊ちゃん」で有名)と旧制山口中学(現 山口高校)も歴史ある有名なバンカラ校。市街地には道後温泉と湯田温泉という温泉街があります。そして旧制松高と旧制山高、その流れを引く愛媛大学理学部と山口大学理学部。お互いによきライバルとして切磋琢磨し、盛り上げていきたいと思います。

 今後も卒業生にいつまでも「愛校心」を持っていただける山口大学理学部を目指します。そのためには私たち教員自身が愛校心を持たねば。

現在、資料室に展示中の衣装と旗。
「鴻南寮(当時の学生寮)」の文字が確認できます。

山口駅から松山に向かって出発する応援団。

昭和9年の応援団長と副団長。松山にて。
松山駅(左)と松山市内に繰り出す応援団。

 

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