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2019年1月15日

 ロックバンド「クイーン」を取り上げた映画「ボヘミアン・ラプソディ」がヒットしましたね。観られた方も多いのではないでしょうか。私は残念ながら観ておりません。

私は中学生の頃から趣味でギターやベースギターをやっておりました。クイーンも好きでした。私が高校1年生のとき、クイーンのライブが通っていた高校のすぐ近くの山口県立体育館でありました。外国のミュージシャンが来ることなんてほとんどない山口では「伝説のライブ」です。

 クイーンのギターリスト、ブライアン・メイは大学時代(インペリアル・カレッジ・ロンドン)は天文学を専攻しており、後の2007年に天体物理学で博士号を取得したことは有名です。関連する本も出版しているほどです。ドイツのメルケル首相も理論物理学の博士。ヨーロッパの方々は、今の職業と大学時代の専攻分野があまり結びつかないといった方が多くおられるように感じています。学問に向き合う姿勢が日本とは少し異なるような気がします。自分に興味のあることには真摯に向き合う姿勢、そのような文化が根付いているのでしょうか。

 つきたい職業を早い時期からからみつけ、それに向かって役に立つ専門知識や技能を学ぶのもひとつのやり方でしょう。しかし、興味のある分野の学問に真摯に向き合い、それをしっかりと学ぶことで、自分で物事を学び自分で考える能力、さらには何事に取り組み場合の基盤となるしっかりとした人間力を身につける。その中で自分の進む道を考えることもよいのではないでしょうか。理学部で学ぶということは後者に近いと思います。

 ブライアン・メイはミュージシャンになるか学者になるかで迷ったかもしれません。結局はミュージシャンとして実績を残した後に、ふたたび天体物理学の世界にも戻り実績を残したわけです。その熱意と興味に対する謙虚さに敬服いたすところです。

 さて、この私、大学時代は趣味でロックバンドをしておりました。(ブライアン・メイとは違い、音楽で生計をたてるなんてまったく考えませんでし、実力的にも無理でした。)先日、学生時代の音楽仲間たちと食事をしたときに映画「ボヘミアン・ラプソディ」の話題となりました。仲間たちの誰も映画を観ていないことがわかりました。やはり私たちにとってクイーンはロックバンドであり、彼らの評価は「音」、「曲」、「演奏」なのです。だから映画は観なくてもよいのでしょう。しかし、その後に仲間の2,3名が映画を観にいったとか。周囲の話題についていくためでしょうか。フットワークの軽さ(変わり身の早さ?)も私たち音楽仲間の特徴でしょうか。今はみんな音楽とは違うそれぞれの道に進んでいる中、世の中を生き抜くための大切な能力ですね。これも学生時代の学びの中で培った技?

学生時代の音楽仲間たち。銀行、食品会社、IT系、テレビ局、化学メーカーと音楽とは関係のないそれぞれの道に進み、
今は会社社長や大学教授に転身したものもあり。下のショットはCDジャケットみたいでしょう?      

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