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2018年8月21日

 私はホームタウンから離れて別の町に行くと、その土地のものを肴にその土地のお酒を飲みながらその土地の人とお話をしたくなります。その地方のことや住んでいる方の考え方等を知りたいからです。その土地の人が集うような店に行けば、店の方や他のお客さんとお話しするチャンスができます。お酒が入ると少し気が大きくなり、話しかける勇気が出ます。若い頃よりも今の方が恥ずかしさも少なくなり、いろいろな人とお話ができるようになりました。会話を通して自分の知らないいろいろなことを知ることができます。それが旅の楽しみでもあります。

 先日、私用で岡山に行きました。ここ数年は年に数回程度、岡山に行く機会があります。たまたま岡山大学に20年来のお付き合いのある先生がおられるので、その方と奥様(医師)にここ数年でいくつかのお店に案内していただきました。どの店もとてもよい店なのですが、最近、そのご夫婦も私も気に入っているお店があり、先日もそこにおじゃましました。お肴もお酒もとても美味しい店です。瀬戸内のお魚が揃っております。岡山の地酒、全国的に有名なものは少ないのですが、そのお店の大将は、岡山の小さな酒蔵の地酒を勧めてくださいます。岡山のことをいろいろと教えてくださいます。逆に山口の(お酒の)こともいろいろとたずねられます。この度は大将のリクエストに応えて山口の地酒を持参しました。山口のお酒と岡山のお魚のコラボ、とても美味しかったです。そのお店には数回行きましたが、老若男女、いろいろな職業の方々とお話しました。初対面のいろいろな方とお話しすることで、自分自身の知識が増えるばかりか、なんとなく自分がまだまだ成長できるような気がします。(思い込みかもしれませんが。)

学会や実験等で学生さんといっしょに出張に行くこともありますが、そのときは、学生さんをなるべくその土地にしかないような店に連れて行って食事をするようにしています。その地域や人のことを知ってほしいからです。グローバルな感覚は、まずは他者を知ろうとする姿勢から身につきます。国、地域、年代、性別などの異なるいろいろな方とお話しすることでコミュニケーション能力も身につきます。学生たちにはちょっと勇気を出して、いろいろな方とお話をして欲しいです。

現代は電子メール、SNS等々いろいろな方法でコミュニケーションをとることは可能です。もちろんそれらは離れた者同士がコミュニケーションをとるためにはとても便利なツールです。しかし直接会って話ができるのであれば、それが相手のことをもっともよく理解できるコミュニケーション法だと思います。同じ部屋に居る学生同士がSNSで会話をしているのを目の当たりにすると、どうも心がざわざわしてきます。一世代前のオヤジだからでしょうか。

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