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2018年7月18日

 先日は大学時代の同窓会に参加しました。私は山口大学を卒業しております。したがって、必然的に大学時代の同窓会は山口で開催される場合が多いです。同窓生の皆さん、やはり学生時代を過ごした山口を訪問する機会がほしいようで、今回も山口開催でした。

そのうちの一人が早めに来るというので新山口駅まで迎えに行き、久しぶりに二人で大学の食堂、いわゆる「学食」でお昼ご飯を食べました。私自身は、若い学生たちに混ざって学食でご飯を食べるのは日常なのですが、製造業の開発部長をしている彼にとっては、若い学生たちに混ざっての食事は久々の新鮮な体験だったようです。「学生は若くて元気でいいなあ。」と喜んでいました。

同窓会までは時間があったので、瑠璃光寺に行きました。瑠璃光寺には国宝五重塔があります。大内氏前期全盛の頃、26代大内盛見が兄25代大内義弘の菩提を弔うため、建立したと言われております。15世紀前半の室町時代ことです。今の山口市は、室町時代は守護大名大内氏の館があったところで、当時は京都につぐ繁栄していた町だったそうです。しかし、毛利氏が関ケ原の合戦に負けて以降の江戸時代は、萩が城下町となったこともあり、山口はあまり歴史上の表舞台には出てきません。しかし、江戸時代の末期になって再び歴史上の舞台となりました。

瑠璃光寺のある一帯を香山公園と呼びますが、その中に「沈流亭」があります。沈流亭は今の山口市の道場門前商店街にあったものが移築されて香山公園にあります。沈流亭は幕末薩長連合を推進するために1867(慶応3)年9月、この建物の2階で、坂本龍馬、木戸孝允、伊藤博文、大久保利光、西郷隆盛、小松帯刀等が密議をした場所らしいです。結局、盟約がなって、幕府を倒す連合討幕軍の結成につながったと言われております。

山口市内に住む他の同級生も呼び出し、その沈流亭の二階の畳の間に三人で座り、学生時代のこと、同級生のその後のこと、そして自分自身の近況について、夏の昼下がりのゆっくりとした時間の流れの中で語り合いました。学生時代は物理学の試験をどう乗り切るかとか異性や趣味のことばかり語り合っていた三人。薩長同盟の密議の場所で、少しは成長して大人になり、髪の毛はすでに真っ白になったおやじ三人が語り合う姿、なんだか絵になっていませんか? 窓の外には五重塔も。室町時代と江戸末期がコラボする風景、なかなかでした。よい時間を過ごしました。

休日にこの場所で研究のことをゆっくりと考えるのもよいなと思いました。みなさんもいかがですか。

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