2021年5月31日
私は土日、GW、夏休み、年末年始のお休みの日は軽いジョギング(5-10km)をします。15年間くらい継続しています。(我ながらよく続いているものだと思います。)ジョギング中は視野に入ってきたものを題材にいろいろなことを考えます。先日は画像のようなボルト(ネジ)が目に入ってきました。このボルトは用水路の水門を開閉するためのものです。
ネジはとても便利なものです。いったい誰が発明したのでしょうか。紀元前、古代ギリシアではすでに使われていたようです。結局、誰が発明したのかは不明のようですが、諸説では巻貝をヒントにしたとか、植物のつるを真似たとか。ネジはいわゆる螺旋(helix)の構造をしています。
螺旋構造はいろいろなところにあります。例えば分子は螺旋構造となるものがたくさんあります。私の専門分野である高分子は結晶中では螺旋構造になります。(私自身今現在は、螺旋分子の配列の秩序性が変化する相転移現象の研究をしています。)DNAの二重螺旋構造も今ではよく知られています。巻貝や植物のつるなど実際に目に見える螺旋も多くあります。
螺旋を方程式で表現すると
のようになります。(詳しい説明は省略。)a がネジの半径を、b がネジピッチを決めるパラメータです。数学を道具として使えば螺旋もすっきり(?)表現できます。 物理学、化学、生物学、地球科学、天文学等々の自然科学では道具として数学を使います。特に、物理学では基本法則を数学の方程式で表します。ニュートンの運動の法則もアインシュタインの相対性理論もとてもすっきり表現できます。さらにその基本法則からいろいろな法則を導くことが可能となりますし、いろいろな物理現象を説明することもできます。数学はなくてはならないものです。他の自然科学の分野でも少なからず数学を使います。 自然科学のみならず工学、医学、農学等の自然科学の応用分野でも使いますし、経済学でも数学は必須です。今後、いろいろな分野にデータサイエンスが導入されると思いますが、そこでは数学や情報科学を道具として使います。以上のように数学はいろいろなところで使われています。 数学といえば計算で苦しんだ方も多いかもしれませんが、今や具体的な計算はコンピュータがする時代、せめて数学を道具として使うやり方を知っておきませんか。もちろん数学という学問そのものを勉強するのも面白いと思います。