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2021年11月5日

 地形に関わる記事が最近多くなっておりますが、これもコロナ禍の仕業。田舎暮らしの特権をいかし、自然の中で休日を過ごしています。
 今回は2箇所の「大岩郷」。多くの大きい岩がごろごろと転がっている地形を「岩海(がんかい)」と呼びますが、大岩郷はその方言のようです。山口県中部に昭和初期に天然記念物に指定された2つの「大岩郷」があります。山口市の市街地から車で40分。

 まず宇部市にある「吉部(きべ)の大岩郷」に行ってみました。実は私、大岩郷に行くのは今回が初めてでした。存在は知っていたのですが、なかなか立ち寄る機会がなく。皮肉にもその機会をコロナ禍によって得ました。吉部の集落から車で5分。駐車場に車を置き、少し坂を上ると写真のような風景が目の前に現れました。確かに大岩郷。古い天然記念物の石碑と新しい解説看板がありました。残念ながら夏の間に茂った草木のため、岩に近寄ることができませんでした。

吉部の大岩郷

 

 次に美祢市にある「万倉(まぐら)の大岩郷」に行きました。「吉部の大岩郷」からおそらく直線距離で4 km弱ほどですが、広い道沿いに回り込む形で向かいました。万倉という地区が宇部市にありますが、そこから山の中に入ったところです。「万倉の大岩郷」は宇部市と美祢市の境界を越え、美祢市に入ったところです。最近整備されたと思われる駐車場に車を置き車外に出ると、目の前には巨岩がゴロゴロした壮大な風景が。万倉の大岩郷は写真のように少し開けた幅の広い斜面にあるため、先ほどの吉部の大岩郷より大規模に見えます。遊歩道沿いに斜面を登っていくと、とても古い小さな「天然記念物」の石碑がありました。さらに登っていくともう一つ「天然記念物」の石碑がありました。こちらの大岩郷は岩の上にも立つことができます。磯にいるような感覚でした。解説を見てみると、このような奇妙な地形がどのようにしてできたか、最近はいろいろなことがわかってきたようです。

万倉の大岩郷

地元の方々が周辺をきれいに整備され、景観を維持されている形跡が見られました。地元の方はこのような自然の造形物を誇りに思っておられることが伝わってきます。

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