2021年12月27日
2021年も終わりますね。コロナ禍ではありながら、通常の業務をこなし、日常の生活を送る必要があります。皆さん、溜まるストレスも並大抵ではないと思います。
私は、朝晩に読書をします。仕事モードへの頭の切り替えとその逆のクールダウンのためであり、私なりのストレス発散方法でもあります。読む本のジャンルはいろいろですが、難しい専門的な本は家では読みません。本屋さんで目についた面白そうな小説の文庫本を読むことが多いです。好きなが作家も何人かいますが、あまりこだわりません。
先日は、「三浦しをん」さんの「愛なき世界」(中公文庫)という小説を読みました。帯に「日本植物学会賞特別賞受賞作」と書かれていたのも気になりました。東京の某国立大学の理学部の植物学の研究室とその周辺にある食堂が舞台です。食堂で働く若者が大学の研究室の博士課程の女子学生に恋をするという出だしですが、どちらかというと研究者たちの日常の研究活動やそれへの想いが主な内容です。「理工系の研究室あるある」といった場面も多く出てきます。植物学の研究の進め方、実験方法、遺伝子配列等もわかりやすく紹介されており、植物学(生物学)素人の私にもたいへん興味が持てる内容でした。植物学研究の魅力がとてもよく伝わります。今から生物学の学問を目指す高校生や、理学部の低学年次生には是非読んでほしいと思います。植物学に惹かれると思います。
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私は理学部長ですが、最近は、理学以外のいろいろな専門分野に興味をもつようにしております。私の専門分野は物理学ですが、物理学でも私の専門分野である物性物理学から宇宙物理学、素粒子物理学まで大変広い領域があります。私は大学院生までは同じ大学内に宇宙物理学関係の研究室がなかったので、宇宙に関する知識が著しく欠落していました。大学教員になった後に所属する学科内に電波天文学の研究室が立ち上がり、その研究室の学生の修士論文の審査等に係る機会ができました。それをきっかけに宇宙に関する知識が増えていき、同時に宇宙に関する興味も強くなりました。
今ではその経験から、今は理学の物理学以外の専門分野にも関心をもつように心がけ、さらには理学以外の学問分野にも注目するようにしています。そうすることで視野が広がり、外を歩いていてもいろいろなことに目がいくようになりました。よいストレス発散にもなります。もし、次に大学に入学する機会があったら何を勉強するかなどと仮想的?に考えることもあります。これからもいろいろなことに関心をもち続けたいものです。