2021年1月28日
寒い日が続きますが、寒い時にほしくなるものといえば暖かい飲み物、そして、「ほっかほか」の食べ物。「ほっかほか」という表現に合う食べ物にはいろいろとありますが、私にとってその一つは「焼き芋」。山口大学の吉田キャンパス(本部のあるキャンパス)には農学部附属農場がありますが、そこで収穫されたサツマイモを使った焼き芋がときどき大学生協の売店で販売されます。すぐに売り切れる人気商品です。研究室の(女子)学生たちの好物であり、私も大好きですので、買ってきてみんなで食べます。
食べ物の味は食感によって大きく左右されますね。昔、お世話になった先生が、チョコレートの食感がチョコレートの成分であるカカオ脂の結晶の多形によって決まるという研究をされていました。結晶多形とは、同じ物質でも結晶構造の異なる複数の結晶をもつ現象です。チョコレートを作るときに、カカオ脂のある結晶多形が出現するような条件で作ることによって美味しい食感をもつチョコレートを作ることができるというものです。専門用語でいえば、油脂の結晶化時の結晶多形制御です。私の研究でも高分子とか脂質とかいった分子の結晶多形や結晶成長を取り扱います。基礎的な部分ではつながっています。焼き芋の美味しさも食感に強く影響されると思います。食感は材料のサツマイモや焼き方によって決まるのでしょう。そこには必ずサイエンスがあります。どなたかがすでに研究しているかもしれませんね。時間があるときに調べてみます。
私は小学生の頃は商店街の近くに住んでおりました。下校の途中に八百屋さんがあり、そこには冬になると大きな焼き芋壺がおかれ、焼き芋が売られていました。その壺で暖をとりながら八百屋のご夫婦がにこにこ笑って「おかえり」と声をかけてくださっていました。下校中の買い食いは禁止されておりましたが、その誘惑には勝てず、友人と何度か買って食べたことが記憶に残っています。隠れて食べる焼き芋、とても美味しかったです。(先生、ごめんなさい。)
画像は、とある方法で事務職員の方が作ってくださった焼き芋です。仕事の休憩中にいただきました。甘くて疲れが吹き飛びました。生き返りました。みなさんも、焼き芋、いかがでしょうか。