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2020年1月14日

 令和2年となり初めての投稿です。今年も山口大学理学部を、そして、「理学部長のつぶやき」をよろしくお願いいたします。稚拙な文章ではありますが、頑張って記事を掲載させていただきますので、引き続きお付き合いいただければと思います。

 今年は暖冬と言われております。私は例年、年末にはスキーに出かけますが、雪は少なかったです。(201914日の理学部長のつぶやきもご参照ください。)ウィンタースポーツが大好きな私は、自分でするのも観戦するのも好きです。1998年の長野オリンピックは学生時代の友人夫妻からお誘いを受け、スキー男子スラロームを生観戦しました。世界トップの滑り、とても感激したのを今でも忘れることができません。一流を見ることはスポーツも研究もとても大切です。(どこかの記事に書いたかもしれません。)

 さて、数々あるウィンタースポーツの中でもスキージャンプは大好きです(ジャンプおたく)。小学生のときに見た札幌オリンピックの日本人の金銀銅独占に始まり、その後、長野オリンピックに向けて再び盛り上がり、その後もレジェンド葛西選手の銀メダル、そして昨シーズンは小林選手のワールドカップ総合優勝、(私の中では)例年とても盛り上がっています。

画像は札幌市の大倉山ジャンプ競技場です。(夏ですが。)いわゆるラージヒルのジャンプ競技場です。札幌オリンピックで使われましたが、その後も毎年のワールドカップの会場になります。札幌市を訪れ、時間があれば必ず寄ります。私自身スキージャンプはできません(特に最近は高いところが苦手)が、大倉山は私にとっては聖地のようなところです。スキージャンプ台は現地の気候等々を考慮され、競技が盛り上がるようにとても精密な設計によって建設されています。科学技術が結集されています。

 最近、スポーツ全般において道具の技術が結果に影響することはよく知られております。特にスキー競技はそれが顕著であり、スキー板の力学的特性、滑走面の材料特性、使用するワックスの特性等々が結果に強く影響します。すべて基礎科学の研究成果が役に立っているはずです。当然ではありますが、道具の性能だけでなく、それを完全に制御できる選手自身の技術が合わさってやっと勝つことにつながります。

話が変わりますが、今年のお正月の箱根駅伝で区間賞が続出しました。選手のレベルアップに新しく開発されたN社のランニングシューズが影響していると言われております。結果から、ランニングシューズの影響は明らかだと思います。トップクラスのところでは選手の技術のレベルアップと道具のレベルアップが相関しながら記録がどんどんと伸びていくようです。

 選手の技量についてもスポーツ科学の現場ではさまざまな革新的な方法での研究が進んでいるようですね。山口大学理学部においても物理学の基礎を使って、古くから伝わるスポーツの指導法について根本的に考えなおされている先生がおられます。とても面白い結果も出ているようです。

 いずれにせよ、道具の開発、選手の育成・強化ともに基礎科学の果たす役割は大きいようです。理学部で行っている研究は、すぐに役に立つかどうかはわからないような基礎研究が中心ですが、いつか未来に、どこかで、何らかの形で、我々人類の役に立つかもしれないものなのです。

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