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進化細胞生物学研究室

「細胞内のデザイン原理の解明 」

 

教員

原 裕貴 准教授
HARA Yuki
mail:yukihara[at]yamaguchi-u.ac.jp 
(メール送信の際は[at]を@に置き換えて下さい.)

    


研究内容

 どの真核生物の細胞を見ても、同じような細胞小器官(オルガネラ)を持っているように見えます。では、オルガネラの形や大きさ、その細胞内配置などの細胞内のデザインは、様々な真核生物にどれほど共通していて、保存されているのでしょうか?当研究室では、この細胞内のデザインの「共通原理」を追求するために、特に全ての真核生物がもつオルガネラである核に着目し、核のデザインを制御する仕組みを研究しています。核の大きさ(サイズ)と細胞全体のサイズの相関関係は100年もの昔から知られている現象です。つまり、核は細胞内の空間を”認識”して、そのサイズを調節しているのかもしれません。しかし、核がどのように細胞内の空間を認識するのか、そのサイズを制御するのか、細胞内での場所を制御するのか、さらにはそれらの核のサイズや細胞内での場所が細胞の機能にどのような影響を与えるのか、については殆ど理解がされていません。この問題に取り組むために、我々の研究室では細胞内の環境要因や空間情報を人為的に操作し、その影響を解析しています。このために、われわれはオルガネラの無細胞再構成系とマイクロ流体工学や分子生物学の手法など異なる技術を組み合わせる研究手法を用いています。このアプローチにより、核周囲の”局所的な”細胞質の空間が、核の成長速度に影響を与える仕組みを解明しました(写真)。

 

培養に用いたマイクロメータースケールの微細チャネル(左)と再構成した核(右;赤:微小管;青:DNA;緑:膜成分)

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