動物生態学研究室
「昆虫の進化生態学 」
教員
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小島 渉 准教授 |
研究内容
カブトムシは日本、韓国、台湾などに生息しており、多くの地域では見た目にほとんど違いはありません。ところが、野外での生態やさまざまな生活史形質(卵の大きさ、成虫の飢餓耐性、幼虫の成長速度など)が地域によって大きく異なることが分かってきました。このような多様化が、なぜ、どのようなプロセスで起こったのかを明らかにしようとしています。
また、鳥類捕食者に対する甲虫の物理・化学防御についても研究を進めています。室内と野外において鳥類の捕食行動を観察し、甲虫の捕食者防御メカニズムの解明を目指すとともに、それらの防御形質と飛行や繁殖などに関わる他の形質の間のトレードオフについても調べています。
シマトネリコの樹皮を傷つけて樹液を吸う台湾のカブトムシ(左)とクヌギの樹液に群がる日本のカブトムシ(右)<br />地域の植生の違いによってカブトムシの採餌方法も変化する。このような地域による採餌方法や餌の違いは、さまざまな形質の進化に影響を与える可能性がある。
Selected publications
- Kojima W, Nakakura T, Fukuda A, Lin CP, Harada M, Hashimoto Y, Kawachi A, Suhama S, Yamamoto R (2020). Latitudinal cline of larval growth rate and its proximate mechanisms in a rhinoceros beetle. Functional Ecology 34: 1577–1588.
- 小島 渉 (2019). 不思議だらけカブトムシ図鑑. 彩図社
- 小島 渉(文), 廣野研一(絵)(2018). たくさんのふしぎ 3月号 カブトムシの音が聞こえる, 福音館書店