「昆虫のユニークな行動を制御する遺伝子を探る 」

教員

工藤 愛弓　助教 KUDO Ayumi mail：ayu-kudo[at]yamaguchi-u.ac.jp  （メール送信の際は[at]を@に置き換えて下さい.）

研究内容

　昆虫の中には，ユニークな形態とそれを用いた特徴的な行動をする種がいます．たとえ同じ種であっても，生息環境や他種・他個体との相互作用のちがいによって，形質にはバリエーションがあることがあります．私たちの研究室では，オスが太く長く発達した前脚をもつテナガショウジョウバエや雌雄ともに左右に張り出した眼柄をもつヒメシュモクバエといった，ユニークな形態をもつ昆虫の行動バリエーションについて，フィールドワークと室内での行動実験を組み合わせることで，バリエーションを維持する環境要因を明らかにしようとしています．また，進化・選抜実験と遺伝子発現解析，ゲノム解析および遺伝学的操作実験を行うことで，行動とそのバリエーションに関連する遺伝子を同定することを目的としています．

クワズイモの葉上のヒメシュモクバエ（左），餌トラップ上で交尾するテナガショウジョウバエの雌雄（右上），中枢神経系などで赤色蛍光タンパク質DsRedが発現したテナガショウジョウバエの幼虫（右下，左：自然光下で観察，右：励起光下で観察）

Selected publications

• Kudo A, Fujii T, Ishikawa Y (2022) Lack of discrimination of sex and maturity of conspecifics in the copulation attempts of the male stalk-eyed fly, Sphyracephala detrahens (Diptera: Diopsidae). J Ethol
  
  
• Kudo A (2021) Intraspecific variation in longevity of Drosophila prolongata (Diptera: Drosophilidae) under solitary and group conditions. Entomol Sci 24: 330-337
  
  
• Kudo A, Awasaki T, Ishikawa Y, Matsuo T (2018) piggyBac- and phiC31 integrase-mediated transgenesis in Drosophila prolongata. Genes Genet Syst 92: 277-285
  
  
• Kudo A, Shigenobu S, Kadota K, Nozawa M, Shibata TF, Ishikawa Y, Matsuo T (2017) Comparative analysis of the brain transcriptome in a hyper-aggressive fruit fly, Drosophila prolongata. Insect Biochem Mol Biol 82: 11-20