素粒子物理学
教員:竹内 万記 助教
標準模型を超える理論の探索
「物質や宇宙は根源的には何からできていて、どのような法則に従うのか」を探究するのが素粒子理論です。
全ての物質は分子からできていますが、さらに分割していくと原子に到達します。原子の構造を調べていくと、原子核の周りを電子が回っていることがわかります。さらに、原子核は中性子と陽子から構成されます。では中性子や陽子は何から構成されるのでしょうか。実はクォークと呼ばれるものから中性子、陽子はできています。電子やクォークのような、基本の構成粒子のことを「素粒子」とまとめて呼びます。現在、見つかっている素粒子は全部で17種類です。これらの素粒子は物質粒子(フェルミオン)、ゲージ粒子、ヒッグス粒子と大別されます。ゲージ粒子は力を媒介する粒子、ヒッグス粒子は質量を与える粒子です。
宇宙には4つの力があることが知られています。重力、強い力、弱い力、電磁気力の4つです。そのうち、強い力、弱い力、電磁気力を記述する理論を「素粒子標準模型」と呼びます。素粒子標準模型は、観測されている現象の多くを説明できます。では、標準模型によって宇宙の全ては明らかになったのでしょうか。答えはNoです。標準模型で説明できない「謎」はまだまだ残されており、これらの「謎」を説明しうる標準模型を超える理論の探索を行っています
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出典:HIGGSTAN |