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教職課程・教職面談 教育実習から学んだこと

数理科学科では, 数学の中学校教諭一種免許状, 高等学校教諭一種免許状を取得することができます. 中学, 高等学校の数学の教員として働いている卒業生も多くいます. 昨年は, 何年か前の卒業生から, 鹿児島県の教員採用試験に合格したという連絡が届き, とても嬉しく思いました. また, 新聞の山口県の新年度教員着任欄でも, 数理科学科の卒業生のお名前を見ます. 教員免許状の取得のためには, 教職課程を履修し, 単位を修得する必要があります.

教職課程の一環として, 4月に, 教職面談が行われました. 教員免許状希望者が個別に数理科学科の教員と面談します. 4年生は所属する研究室の教員と, 3年生は2年生のときの数理科学基礎セミナーの担当教員と, 2年生は数理科学基礎セミナーの担当教員と教職について面談します. 研究室の教員とは, 卒業研究(特別研究)の指導教員のことで, 数理科学基礎セミナーとは, 2年生の演習(線形代数, 微分積分の演習)の授業のことです. 私も数週間かけて2, 3年生10名ほどと教職面談をしました. 教育実習先での心掛けや教員採用試験への取り組みについて, 学生と話をしました.

私自身, 大学生のときに高等学校に教育実習に行きました. 数学のどの単元の授業をさせてもらったのか覚えていないのですが, あるとき, 間違った解法を先に紹介して, 「こうやったら失敗する」と教えました. その方が印象に残って生徒さんの勉強になると思ったからです. しかし, それは私がそう思っただけのことで, 浅はかな考えでした. その授業の後で, 担当の先生から「失敗例を先に言うと, 間違ったものを正しいものとして理解してしまう生徒がいる」と指摘されました. 講義は聞く人のためのものだということを私はわかっていませんでした. 聞く人が混乱するようでは, 講義の意味がありません. 聞く人を混乱させるようなことはせずに, 聞く人の状況に合わせて講義をすることが大切であると学びました.

残念ながら, 未だに私は学生の状況に合わせることを実践できていません. 先日, 夕方に学生がある命題の証明を持ってきました. 学生の証明が私の頭に入って来ず, 一体何を言いたいのかわかりませんでした. それは一体どういうことなのかと問い詰めてしまい, 学生が疲れ果ててしまいました. 勇気を出して質問に来た学生を私は挫いてしまったのです. 私は学生がどのように考えて, その証明に辿り着いたのかを慮り, 適切な証明へと誘導すべきでした. お釈迦さんは相手に合わせて説法したと言われていますが, 凡人にはその実践は難しいです.  (南出)

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