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ひと休み アクティヴラーニングと高校数学

数理科学科の1年生のみなさんは, 中間試験が終わった頃でしょうか. 理学部1号館の向いのファヴォカフェ<FAVO Cafe>で数理の1年生たちが勉強している姿を私は眺めながら呑気にコーヒーをすすっていましたので学生たちから「アイツ何してるんや!」と恨まれているかも知れません. 大学での数学の勉強, 新しい交友関係, 一人暮らし, 食事の用意など, 様々な苦労があると思います. ときには, 私を見習ってひと休みしてください. ヒンディー語にghumakkar という言葉があります. それはヒンディー英辞典には, roving と書かれていますが(p.290), 「旅の指さし会話帳 22 インド」(p.59)には, ghumakkar は「いつもほっつき歩いている人」と書かれています. インドにもそういう人がいるのだと思います.

いつもほっつき歩いている私ですが, 最近, 大学近くのスーパーが閉店したので, お気に入りのA4ノートが手に入らなくなり大変困っています. 大学院生のセミナー中に, 私がA4ノートを見開きA3ノートとして使っていたら「そういう使い方があるのですね」と院生に言われました. 普段から, 一つの計算が長いので自然にそのような使い方になりました. 常盤キャンパス(工学部)にある売店には, 別のお気に入りB5ノートが置いてあるのですが, しばらく常盤キャンパスでの担当講義がないのでそのノートも入手できません. 以前, 常盤キャンパスで, 共通教育の「自然科学I」を講義したとき, 帰りに売店でノートを10冊買い, その後, 宇部新川の駅の近くでインドカレーを食べていたら, 電車が行ってしまい帰宅が遅くなったことがありました.

今年度, 私が担当する3年生前期の科目「代数学」(4単位) はのんびりしていて(一体誰がのんびりしているのか?), 未だに中間試験を実施出来る状況ではありません. 先日の「代数学」の授業では, アクティヴラーニング (AL, Active Learning) と称して, 履修者に次の問題を出題しました.

AL. \(n\) を\(2\) 以上の自然数, \(p\) を\(3\) 以上の素数とする. 任意の整数 \(a\) について,
\begin{align*}
(1+ap)^{p^{n-2}}-1-ap^{n-1}
\end{align*}
は \(p^{n}\) の倍数であることを示せ.

これは, 高等学校の「数学A」で学ぶ「組み合わせ」, 「数学II」で学ぶ「二項定理」, 「数学B」で学ぶ「数学的帰納法」, 「数学A」の教科書(数学と人間の活動)に書かれている整数の性質を用いて解決することが出来ます. 直ぐには解けないだろうと思って出題しましたが, 教室の最前列で講義を受けている学生に直ぐに解かれてしまいました. ちょっと悔しい. 上のALを活用すると, 「代数学」の講義で学ぶ既約剰余類群 \(\left(\mathbb{Z}/p^{n}\mathbb{Z}\right)^{*}\) (\(p\geq 3\) 素数, \(n\geq 1\) 自然数) が巡回群であることがわかります (\(n\geq 2\) の場合に.). これについては, そのうち, 講義で話したいと思います. 大学の数学は思っていたものと違うと感じる学生もいるとは思いますが, 高等学校で学んだ数学は足掛かりになっていると思いますので, 毛嫌いせずに, 大学の数学を辛抱強く楽しんでほしいと思います. (南出)

 

参考文献

  • Oxford Hindi-English Dictionary, Oxford University Press, 1993. (p.290)
  • 岡口良子 「旅の指さし会話帳 22 インド ヒンディー語」, 情報センター出版局, 2001. (p.59)
  • 藤崎源二郎・森田康夫・山本芳彦 「数論への出発」増補版, 日本評論社, 2004. (p.47)
  • 星 明考「群論序説」, 日本評論社, 2016. (p.128) (これは「代数学」の講義の参考書です.)
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