- 2025年3月3日(月)~6日(木) 10:00~17:00(初日のみ13:00~)
- FAVOストア1階のフリースペース
研究推進体「最先端物質から文化・芸術まで科学する物質構造解析研究の展開」では,様々な分野の専門家がいる大学だからこそできる新しい研究の発信を目指して活動しています。理系分野の機能性材料開発や新鉱物発見などの最先端物質構造研究を推進するとともに物質構造研究に用いる分析手法や技術を文化・芸術分野に適用することでユニークな研究成果を発信しています。
今年度の主な共同研究である美術分野と物理分野の研究成果について,成果展「芸術と3Dプリントの交差展」を開催させていただくことになりました。気軽にお立ち寄りください。
主な展示物
萩市南明寺 賓頭盧坐像の3Dプリント模型
萩市三見出身の藤田長右衛門の作品である南明寺の賓頭盧坐像の修復・復元を2019年に行いました。彫刻は年月の経過とともにどうしても顔料剥離や虫食いによる木本体の劣化が起こってしまう現状を目の当たりにし,文化財の定期的な修復復元,伝承が不可欠であることを実感しました。そこで山口県の大切な文化財の保存や修復への新たなアプローチとして3Dスキャンによる3次元データの取得を試みました。普段は触ることが難しい文化財であっても3Dプリント模型を作成することで,直接手で触れることが可能となります。
今回は現状の南明寺賓頭盧坐像の3Dプリント模型と椅子(1/3スケール),さらに1/2スケールの賓頭盧坐像も展示します。
首里城復元に係る彫刻物の3Dプリント模型(1/2スケール)
令和元年10月31日に焼失した首里城の復元において,教育学部・上原一明教授が「向拝奥の彫刻物(牡丹に獅子、唐草)」の彫刻を担当されました。この令和の復元では,フランス海軍の古写真を元にデザインが復元されましたが,写真に加え,3次元データも記録がされていれば将来の修復時にも役立つと考えられます。そのため我々は,3次元座標の記録として今回の彫刻の3Dスキャニング作業を実施しました。
完全な3Dデータ化に向けたデータ処理は現在も継続中ですが,今回の成果展にあたり現在のデータを元にした3Dプリント模型(1/2スケール)を作製しました。2026年度完成予定の首里城「向拝奥の彫刻物(牡丹に獅子、唐草)」の曲線美や躍動感を一足先に感じていただければと思います。
関連: |
[山口大学HPニュース] 教育学部学生が首里城復興事業の一つである「向拝奥の彫刻物」の製作に参加しました |
研究組織: | 永嶌真理子 (代表・理・地球),堀川裕加 (理・物理),朝日孝尚 (理・物理),野崎浩二 (理・物理),綱島亮 (理・化学),上原一明 (教育・美術),中野良寿 (教育・美術),平川和明 (教育・美術),田中晋作 (人文・考古),森福洋二 (総合技術部・技術専門職員) |
本件の連絡先 : | 永嶌 [E-mail] nagashim@yamaguchi-u.ac.jp |